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【レポート】世界一のワイン産地、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のマリアージュセミナー

Tomoko Kato    Tokyo 26, November ,2024

2025年9月25日、日比谷パレスにてIPEX カスティーリャ・ラ マンチャ州政府貿易振興会による「カスティーリャ・ラ・マンチャ州ワイン・マリアージュセミナー」が開催されました。昨年も大盛況だった様子はレポートにまとめてあります。スペイン中央部のラマンチャ州の豊かなワインを、フレンチレストランにて日本の繊細な食材と組み合わるというまたとないひととき。今年もTinc gana シェフソムリエの菊池氏による10社のワイナリーから厳選したワインに合わせ考えられた料理とのマリアージュ。業界のプロフェショナルな参加者たちは、驚きと感動のひとときを過ごしました。  

以下、ワインと料理をお伝えします。
昨年のレポートはこちら

1: ラマンチャ州の魅力を知る  

イベントの冒頭では、Tinc ganaのシェフソムリエである菊池貴行氏が、ラマンチャ州の特徴をわかりやすく解説。カスティーリャ・ラ・マンチャ州は、スペインの中央部に位置し、ワイン生産量では世界一を誇ります。その背景には、以下のような独特の地理と気候があります。

・高地と気温差: 海抜650m以上の標高に加え、昼夜の寒暖差が激しい環境。

・豊富な日照量:年間3,000時間以上の太陽の光がブドウを育てます。

・歴史と伝統:約500のワイナリーが広大なブドウ畑でワインを生産。

「土壌+気候+歴史と伝統=高品質ワイン」という公式がその全貌を語ります。

2: ワインと料理の調和を体験

セミナーの中心は、10本のラマンチャワインとそれぞれに合わせた料理のマリアージュ。ワイナリーから特徴のある1本が選ばれ、この日のワインのために考案された料理が用意されました。菊池氏のテイスティングコメントと、「なぜそのマリアージュなのか」という解説を聞きながら、マリアージュを堪能しました。  

たとえば、白ワインの100%ソーヴィニヨンブランに「鮮魚の昆布締め すだちの香り」が合わせてあります。昆布の旨み成分に標高差のあるワインを合わせるということが意図されたマリアージュ。それぞれの香りから、そして口に含んだ時に「思い切り和の要素を持つメニューがこのソーヴィニヨンブランだからまとまる」という説得力を体感できるのです。

私たちが馴染みのある和の食材がレストランで丁寧に仕立てられます。初めてのマリアージュにも関わらず、最初から合わせられる運命だったかのようにラ・マンチャのワインがしっくりと馴染みます。このセミナーに参加しなければ、偶然でも知る可能性は皆無だと思う驚きの組み合わせばかりです。

日々、現場に立つソムリエとシェフだからこそ生み出せるマリアージュによる味わいは、日本とラ・マンチャのリアルな距離も超え、互いになくてはならない存在だと気付かされます。

3: ワインと料理の紹介  

この日に登場した10種のワインと料理をご紹介します。それぞれのワイナリーが持つ特徴的な1本をテイスティングし、料理と合わせて味わっていくくことで、ラマンチャ州の多様性を実際に体験していきます。

ビニャ セタール・ティント(Viña Xetar Tinto)

ワイナリー:ボデガス・エル・プログレソ(BODEGAS EL PROGRESO)

ヴィンテージ:2024

タイプ:MOSTO

品種:100% Tempranillo

アルコール:7.5 %

D.O. La Mancha

日本の秋のガスパチョ

Gazpacho japonés de otoño con aguaymanto

VQソーヴィニョン・ブラン(VQ SAUVIGNON BLANC)

ワイナリー:フィンカ・ラ・ベンタ・ドン・キホーテ(FINCA LA VENTA DE DON QUIJOTE)

ヴィンテージ:2024

タイプ:Young wine

品種:100% Sauvignon Blanc

アルコール:12%

VINO DE LA TIERRA DE CASTILLA

鮮魚の昆布締めすだちの香り

Pesacado fresco marinado en alga kombu con aroma de sudachi

エントレモンテス・オーガニック・ビウラ(ENTREMONTES ORGANIC VIURA)

ワイナリー:ボデガス・エントレモンテス(BODEGAS ENTREMONTES)

ヴィンテージ:2024

タイプ:Young wine

品種:100% Viura (Macabeo)

アルコール:12.0%

D.O. La Mancha

蕪のロワイヤル仕立て
Royal de nabo blanco

カバジェロ・デ・ブランカ・ルナ・ガルナチャ(CABALLERO DE BLANCA LUNA GARNACHA)

ワイナリー:ドミニオ・デ・プンクトゥム(DOMINIO DE PUNCTUM, S.L.U.)

ヴィンテージ:2024

タイプ:Young wine

品種:100% GARNACHA

アルコール:13.5%

VINO DE RA TIERRA DE CASTILLA

茄子と茸のファルシ

Farcis de berenjena y setas japonesas

エストーラ・セレクシオン(Estola Selección Tempranillo)

ワイナリー:ボデガス・アユソ(BODEGAS AYUSO, S.L.)

ヴィンテージ:2022

タイプ:9 months

品種:100% Tempranillo

アルコール:13.0%

D.O. LA MANCHA

ねぎま串

Brocheta de pollo y puerro con salsa teriyaki

セッロ・デル・ブエイ(Cerro del Buey)

ワイナリー:ボデガス・ティントラルバ(BODEGAS TINTORALBA)

ヴィンテージ:2022

タイプ:Still wine. Aging in barrel 6 months + ovois

品種:100% Garnacha Tintorera (organic)

アルコール:14.0%

D.O. ALMANSA

佐渡島“銀鮭”のグラティネ

Gratinado de salmón plateado

カンポアメーノ・テンプラニーリョ・クリア(CAMPOAMENO TEMPRANILLO CRIANZ)

ワイナリー:ボデガス・カンポアメーノ(BODEGAS CAMPOAMENO)

ヴィンテージ:2022

タイプ:CRIANZA

品種:TEMPRANILLO 100%

アルコール:13.5 %

 京鴨と牛蒡のブレゼ

Braseado de pato de Kioto y raíz de bardana

パゴ・ロス・セリージョス・プティ・ベルドー・セレクシオン(PAGO LOS CERRILLOS PETIT VERDOT SELECCION)

ワイナリー:ボデガス・モンタルボ・ウィルモット(BODEGAS MONTALVO WILMOT)

ヴィンテージ:2020

タイプ:12 months RESERVA

品種:PETIT VERDOT 100%

アルコール:14.0%

PAGO LOS CERRILLOS

 茨城県“つくば美豚”のカツレッ

Empanada de cerdo “Biton” de Tsukuba con cebolla estilo milhojas

カサ・ラ・テハ・レセルバ(CASA LA TEJA RESERBA)

ワイナリー:ボデガス・ユンテロ(BODEGAS YUNTERO)

ヴィンテージ:2016

熟成区分:RESERVA

12 months in oak barrels

24 months in bottle

品種:100% TEMPRANILLO

D.O. LA MANCHA

国産牛のロティ

Rotí de buey japonés con wasabi

センティール・テイント・オーガニック(SENTIR TINTO ORGANIC)

ワイナリー:ビルヘン・デ・ラス・ビニャス(Virgen de las Viñas Bodega y Almazara)

ヴィンテージ:2024

熟成区分:YOUNG

品種:70% TEMPRANILLO

30% CABERNET-SAUVIGNON

アルコール:13.0 %

VINO DE LA TIERRA DE CASTILLA

チョコレートとベリーのムース

Mousse de chocolate y frutos rojos

4: まるで呼吸をしていくようなマリアージュ 

料理とワインが織りなす調和の妙を、会場にいた参加者は実感したはずです。ワインだけが目立つことや、料理の存在が強調されるようなことがなく、「なぜこのワインとこの料理なのか」というストーリーがしっかりと計算されている点が、このマリアージュならではの特別さを際立たせています。

  軽やかなテンプラニージョ100%のMOS TOからスタートし、徐々に重厚な赤へと進むなか、10種のワインを興味津々のままテイスティングさせていただける工夫が施されていました。料理と呼吸を合わせるように余韻までを楽しめる内容はこのセミナーだからこそ誕生した貴重なものです。ひとくちで過ぎていく味わいのなかに、心に響き合う料理とワインの印象を残す。これほどまでに計算された体験は、他ではなかなか味わえません。

 

5: フリー試飲会でさらなる発見  

今回もマリアージュセミナー終了後には、1階にてフリー試飲会が開催されました。参加者は各ワイナリーの担当者と直接話しながら、日本に輸入されていないワインを試飲することができました。生産者からそれぞれのワインづくりに対する哲学や想いをテイスティングしながら直接聞けることは、とても希少です。味わいに加え、新しい出会いの可能性があるからです。生産者を通してまだ行ったことのない生産地に想いを馳せ、そのワインに関するエピソードまで含めて、心に残るワインになるのかもしれません。

試飲会に出展していた生産者はこちら

・最後に 

今回のマリアージュセミナーは、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のワインの奥深さを以前にも増して知ることができる機会となりました。前回も驚きの連続だったにも関わらず、この度も新しい発見に満ちたマリアージュの数々。ソムリエの菊池さんとシェフによる特別な味わい、スタッフの皆さんによるオペレーションによるサービスを一丸となって体験することができました。

今回初めて出会えるワインの味わいとマリアージュの体験は、参加者にとってより多くのヒントを得る機会だったようです。さらに生産者にとっても新しいインスピレーションを体験できたはずです。用意してあるのはクオリティの高いワインばかりでしたから、ただそこにワインだけが並べられていても、すでに「素晴らしいワイン」として存在していました。しかしこうして来日し、日本でのプレゼンテーションを目の当たりにすることで、スペインでは知ることができないマリアージュから今後のワイン造りにも影響が出てくることでしょう。

まだまだ知られていないラマンチャ州のワインの魅力をもっと伝えていきたいと筆者も気持ちを新たにするひと時となりました。

スペインワインと食協会 推奨レストランでもある東京・市ヶ谷の「Tinc gana(ティンガナ)」@tinc_gana_tokyo

シェフソムリエ菊池貴行さん@takayukikikukikuchi(左)麹と野菜とワインの小さな台所
Minoみーの”店主みのりさん@minocrea(中)

スペインワインと食協会とは

スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。

スペインワインと食大学運営 スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田)

WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org

 


スペインワインと食協会プロデュース「スペインワインと食大学」とは

企業と一般の人々のプラットホームとなるオトナの学び場「スペインワインと食協会(=スペ食大学)」を開催しています。

多くの人に知られていない「スペインワインと食」を見る、聞く、味わう、体験と、五感を使い楽しみながら、その業界の一流講師による貴重な講義を体験できます。ここでしか得られないリアルイベントならではの仲間との出会いは一生の宝物です。

「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから

スペインワインと食協会 加藤智子/ PERIODISTA DE AGE TOMOKO KATO

福岡県出身のフードジャーナリスト。1997年からシェフ、パティシエ、ワイン販売など多岐にわたるポジションを経験。レストラン「アクアパッツァ」広報・PRとして活躍した後、スペイン食材輸入専門のLA PASION[現:(株)LA PASION]を立ち上げ、2011年には「スペインワインと食協会」を設立。オリーブオイルを取り入れたライフスタイルを提案し、テイスティング・食育講師としても活動。2016年からフードジャーナリストとして執筆も手がける。毎週配信のニュースレターに読者が増え続け、企業や行政からスペインワインと食関連の取材依頼が殺到している。「LOHASPAIN」WEBマガジン編集長。オリーブオイルソムリエ®。

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