【レポート】「スペインの至宝が東京に集結!カバとハモンセラーノの魅力を探る合同キャンペーン発表会」(Consejo Regulador de la Denominacion de Origen CAVA y Consorcio del Jamon Serrano Espanol)

【レポート】「スペインの至宝が東京に集結!カバとハモンセラーノの魅力を探る合同キャンペーン発表会」(Consejo Regulador de la Denominacion de Origen CAVA y Consorcio del Jamon Serrano Espanol)

Tomoko Kato    Tokyo    14  June ,2024

 

発表会の概要

2024年6月11日、東京にある日比谷パレスにて「カバ原産地呼称統制委員会(Consejo Regulador de la Denominacion de Origen CAVA)」と「スペインハモンセラーノ協会(Consorcio del Jamon Serrano Espanol)」が日本向けの合同キャンペーン発表会を開催しました。

このキャンペーンは、欧州連合(EU)が発信する高品質な農産物のプロモーション “ENJOY, IT’S FROM EUROPE” の一環として、今後3年間にわたり実施されます。

目的

キャンペーンの目的は、日本の人々にカバ(スペインのスパークリングワイン)とハモンセラーノ(スペインの生ハム)の魅力を伝えることです。これにより、スペインの伝統的な美食文化を広めることを目指しています。

キャンペーンの背景

カバとハモンセラーノの製法には、「熟成」、「伝統」、「時間」という共通点があります。これらの要素が、最高の品質を生み出すために欠かせないものとして強調されています。キャンペーンでは、「時間と忍耐力をかけた伝統的な職人技から生まれる特定産地の高品質」をキーメッセージとしています。

活動内容

  1. ローンチイベント:
    • キャンペーンのアンバサダーに「フェルミンチョ」オーナーシェフ作元慎哉氏、エキスパートに「レストランティンガナ」シェフソムリエ菊池貴行氏、スペインハモンセラーノ協会認定カット職人作元典子氏が任命されました。
    • 2024年のローンチイベントに3人が出席し、キャンペーンの開始です。
  2. セミナーとワークショップ:
    • カバティスティングとハモンセラーノカッティングセミナーが開催され、飲料・食のプロフェッショナルを対象に実施されます。
    • これにより、専門知識と技術を学べる機会が提供されます。
  3. プレストリップ:
    • ジャーナリストやインフルエンサーをスペインのカバとハモンセラーノの生産地に招待し、現地の伝統と品質を体験してもらいます。
  4. ポップアップレストラン:
    • 一般消費者向けに、カバとハモンセラーノのペアリングを楽しめるイベントが企画されています。
    • これにより、多くの人がスペインの美食を体験できるようになります。

D.O.P. CAVA – 品質保証とは

カバ原産地呼称統制委員会は、スペインで唯一のスパークリングワイン専用の品質保証を行っています。カバは最低9ヶ月間熟成され、高品質を保つために厳しい生産技術と管理がされています。また、環境に優しい方法でブドウを栽培しています。

特徴

  • 熟成期間: カバは最低9ヶ月間熟成されます。
  • 品質管理: 厳しい生産技術と管理で高品質を保証します。
  • 環境への配慮: 持続可能な方法でブドウを栽培しています。

カバの魅力 カバはさまざまな料理と相性が良く、特に複雑な味の料理ともよく合います。これにより、新しい食の楽しみを提供してくれます。

生産規模

  • ブドウ畑: 38,000ヘクタール以上
  • 生産者: 6,000人以上
  • ワイナリー: 250社
  • 販売国: 100カ国以上

主要な生産地はペネデス地方のコンタス・デ・バルセロナ地域ですが、他にもアルメンドラレホ、エブロ渓谷、レバンテ地方などがあります。これらの地域の土壌や気候がカバに独自の味わいを与えています。

スペイン・ハモン・セラーノ協会 Consorcio del Jamón Serrano Españolとは

スペイン・ハモン・セラーノ協会は、1990年に設立された組織で、スペインの生ハム「ハモン・セラーノ」を世界中に広めるために活動しています。この協会は、スペインの生ハム業界で最も重要な24社が集まって作られました。

設立の経緯

1990年10月8日、マドリードの市営処理場ビルで正式に発表されました。その1週間後には、パリのSIAL Gastronomy Fairで国際デビューを果たし、業界に大きな影響を与えました。

目的

協会の目的は、国際市場で本物のスペイン・ハモン・セラーノの品質とイメージを広めることです。これを実現するために、「ConsorcioSerrano」という品質保証マークが作られました。このマークが付いたハモン・セラーノは、厳しい品質基準を満たしていることを証明します。

 プレス発表会の様子

プレス発表会では、最初にカバ原産地呼称統制委員会のJudith Manero氏とスペインハモンセラーノ協会の代表Alvaro díazLiaño氏が登壇し、カバとハモンセラーノについて語りました。また、キャンペーンのアンバサダー「フェルミンチョ」オーナーシェフ作元慎哉氏、エキスパート「レストラン ティンガナ」シェフソムリエ菊池貴行氏、コルタドール(スペインハモンセラーノ協会認定カット職人)作元典子氏が参加し、カバとハモンセラーノの魅力を紹介しました。

テイスティングでは、ハモンセラーノを使った3品に合わせて、ペアリングされた3種のCAVAが登場。多くの出席者がカバとハモンセラーノの絶妙な組み合わせを楽しみ、その味わいに感動していました。

試食(左)コルタドールによる切り立てハモンセラーノ

試食(中央)アスパラガス・ハモンセラーノの菜園

試食(右)茄子のフリットとハモンセラーノ

 

 

 

期待される効果

この3年間のキャンペーンを通じて、日本でのカバとハモンセラーノの認知度が大幅に向上することが期待されています。これにより、スペインの高品質な食品が日本の家庭やレストランで広く楽しまれるようになるでしょう。

最後に

カバ原産地呼称統制委員会とスペインハモンセラーノ協会が協力し、日本での3年間の合同キャンペーンがスタートしました。「時の流れの産物である熟成」、「伝統を守るノウハウ」、「時間をかけること自体が最高の贅沢」というカバとハモンセラーノのにおける製法の共通点です。伝統と時間をかけた職人技によって生まれるカバとハモンセラーノの魅力を、試飲会やセミナー、ポップアップレストランなどを通じて、多くの日本の人々に伝えることを目指しています。

アンバサダー作元慎哉氏とコルタドーラ作元典子氏のレストラン「フェルミンチョ」、エキスパート菊池貴行氏がシェフソムリエをつとめる「ティンガナ」両店は、スペインワインと食協会推奨レストランということもあり、当協会としても3年間、取材して皆さんにお伝えしていきたいと考えています。典子さんは「日本のコルタドーラの世界を広げて行きたいですね」、「日本の食卓、身近にスペインの生ハムを!」と、教えてくれました。

今回、実際に「カバとハモンセラーノとは」という話しをお聞きしてからのテイスティングは、これまで以上に味わい深い経験となりました。ハモンセラーノを使った3品に、それぞれ「なぜこのカバを合わせるのか」などの説明では、耳からの情報のおかげで、味わうときに具体的な理解をすることができます。単に「おいしい」というだけでなく、「なぜおいしいのか」ということが腹落ちできるからです。プロフェッショナルな方々のおかげでハモンセーノを使った味わいとカバの、見た目、香り、音、食感と5感をフル活用しながら堪能できました。

このような体験をぜひみなさんにも味わっていただきたいと心から思います。カバとハモンセラーノをきっかけに、これまで以上にスペインの美食文化がしっかりと日本に広まることを楽しみにしています。

12回スペインワインと食大学もお見逃しなく!

今回の第11回スペインワインと食大学は、おかげさまで大盛況で幕を閉じました。参加者からは、「新しい世界を体験させてもらえました!」、「オリーブオイルの魅力を再発見できました」、「スペインの食文化にもっと興味が湧いてきました」など、嬉しすぎるお声をいただきました。

次回、第12回目のスペインワインと食大学は、今月26日(水)に開催されます。 

https://spainwinefood.org/universidad-19/ 

世界的なワインジャーナリストやソムリエからも注目されている「カナリア諸島」のワインをテーマに、ビニャティゴ醸造責任者フアン・ヘスス・メンデス・シベリオ氏と、その息子で注目のヴィニュロン、ホルヘ・メンデス・ディアス氏が初来日し、特別講義を行います。

火山の大地で育まれた独特のワイン造りについて学べ、味わえるまたとない機会です。興味のある方は、ぜひお早めにお申し込みください!共同代表でスペイン在住の郁美さんも帰国し、私も進行を担当します。第12回スペインワインと食大学でも、皆さんと一緒に貴重な初上陸のスペインワインを楽しめることを心待ちにしています。

次回も一緒に、スペインの味わいと楽しさを体験しましょう!

テネリフェ

スペインワインと食協会プロデュース「スペインワインと食大学」とは

企業と一般の人々のプラットホームとなるオトナの学び場「スペインワインと食協会(=スペ食大学)」を開催しています。

多くの人に知られていない「スペインワインと食」を見る、聞く、味わう、体験と、五感を使い楽しみながら、その業界の一流講師による貴重な講義を体験できます。ここでしか得られないリアルイベントならではの仲間との出会いは一生の宝物です。

 


スペインワインと食協会とは

スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。

スペインワインと食大学運営 スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤)

WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org〒104-0061東京都中央区銀座3-4-13 第一厚生館ビル5F  TEL.080-4434-0141

 

 

今年も「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから

スペインワインと食協会 加藤智子

福岡県生まれ。1997年より「食」業界にて、調理師、パテシェ、サービス、イベントコーディネイト、企画、広報、PRまで幅広く経験。2009年「食で毎日をもっと嬉しく、人生をもっと楽しく」をテーマにLA PASION(ラパシオン)設立。スペイン食品輸入、食育・テイスティング講師、執筆を通し、オリーブオイルのあるライフスタイルを発信している。JOSAオリーブオイルソムリエ。