
マンダリン オリエンタル東京で味わう、テネリフェ島のテロワールを写すビニャティゴ〜ラグジュアリーなワイン体験〜EXPERIENCIA VIÑÁTIGO EN MANDARIN ORIENTAL TOKYO
Ikumi Harada Barcelona, July 11,2024
6月25日、マンダリン オリエンタル東京の37階から、東京スカイツリーが見下ろせるマンダリンバーの脇にひっそり佇む螺旋階段を降りると、壁一面に垂涎もののワインが眠る荘厳な空間が広がっていました。ディレクターオブワインの野坂昭彦氏とソムリエチームが、笑顔で迎えてくださいました。
カナリア諸島テネリフェ島を代表するワイナリー、ビニャティゴ(Viñátigo)初来日に合わせて、マンダリン オリエンタル東京「ザ・セラー」で、ソムリエチームの方々に向けた、セミナー&ワインテイスティングが行われました。ビニャティゴ創設者のフアン・ヘスス氏を父に持つ、若手醸造家で息子のホルヘ・メンデス氏が、世界でも類を見ないカナリア諸島のテロワールやブドウ栽培、歴史、そしてビニャティゴのワインがどのように育まれたかを、アカデミックかつ情熱的に語りました。

Jorge Méndez Díaz(ホルヘ・メンデス・ディアス)
@bodegasvinatigo
@jorgemndzdz
ラ・ラグーナ大学で農業および農村環境工学の学位取得。マドリード工科大学でワイン栽培学と醸造学の修士号取得。父が創設したビニャティゴプロジェクトの二代目であり、メンデス家5代目。アルゼンチン、チリ、ブルゴーニュなどさまざまな地域でワイン造りの研鑽を積む。バスク・クリナリー・センターの選出する「ガストロノミー界の若き才能 100人 2024」の一人。将来を嘱望される若きブドウ栽培家兼醸造家。
国内外で高い評価 マンダリン オリエンタル東京の精鋭ソムリエチーム

マンダリン オリエンタル東京 ソムリエチーム。写真左から、加茂文彦氏、野坂昭彦氏、鈴木大輝氏、山本麻衣花氏
マンダリン オリエンタル東京のソムリエチームは、ディレクターオブワインの野坂氏が率いる5名の精鋭から成り立ち、その卓越したサービスと深いワインの知識で高い評価を受けています。野坂氏のリーダーシップのもと、チームは数々の国際的な賞を受賞しており、野坂氏自身も「第10回全日本最優秀ソムリエコンクール」での優勝という輝かしい実績の持ち主。また、「ポメリー・ソムリエコンクール2023」では、ソムリエ・スーパーバイザーの山本麻衣花氏が優勝するなど、個々のメンバーも素晴らしい成果を挙げられています。セミナーとテイスティングの場に同席させていただいた際、チームが勤務前に行っている“朝練”についてもお聞きしました。ワインのコンクールで上位を総なめにしているチームの強さの秘密が垣間見えた気がしました。
野坂昭彦ソムリエとテネリフェ島マイペ・デ・タガナナ。特別な出会い

今年の4月、野坂昭彦ソムリエがカナリア諸島のテネリフェ島を訪れたことがきっかけで、この特別な機会が実現しました。野坂氏は訪問の際、特にテネリフェ島の北東に位置するシングルヴィンヤード「マイペ(Maipe)」に深く感銘を受けたそうです。
マイペはアナガ山塊に位置し、樹齢120年以上の自根の古樹が育つ特別なブドウ畑です。この畑は標高350mにあり、島で最も古い1100万年前の土壌に根ざしています。1908年の最後の噴火にも耐え抜いたこの畑には、赤色玄武岩を含む水はけの良い粘土土壌が広がり、大小多くの石が点在しています。これにより、根が深く張ることが保証されています。
テネリフェ島の北部に位置するこのブドウ畑にたどり着くのは一苦労です。ツタ植物が生い茂る湿った急カーブの山道を、数十分かけてウネウネと走ります。苦労してたどり着いたマイペで目にしたのは、ブドウ栽培の常識を覆すような過酷な環境で育つ垣根仕立ての自根のリスタン・ブランコの生命力でした。その健気さにただただ圧倒されました。年間わずか1563本しか生産されない希少なワインが、この度、日本に180本輸入されました。(輸入元 Sara Corporation)

テネリフェ北島 マイペ・デ・タガナナ
Maipé de Taganana
標高:海抜350m 年間降水量:約400mm
土壌:北東にあるアナガ山塊は、島で最も古い地質構造の1つ(1100万年前)で、粘土とシルト土壌が特徴。水はけが良く、根の深入りを保証する大小多くの石が存在している。通常の粘土土壌は濃厚で重たいワインになりがちだが、石のお陰でフレッシュなワインを生み出している。
気候:貿易風の影響で、フレッシュで溌剌としたワインを生み出す。バランスのとれた酸が特徴。
歴史:樹齢120年以上の自根の古木。ポルトガルとガリシアの影響を受けた仕立て。
栽培方法:棚仕立て

樹齢120年以上の自根のリスタン・ブランコ
BODEGAS VIÑÁTIGO /
MAIPÉ DE TAGANANA 2022
【醸造・熟成】
手摘み。アルコール発酵は天然酵母を使用、卵型コンクリートタンクにて行う。その後、225Lと300Lのフレンチオーク樽で5ヶ月間熟成。
【テイスティングコメント】
オレンジピール、タイム、フェンネル、蜂蜜の香り。口に含むとシュール・リーによるリッチな広がりを感じると同時に、綺麗な酸とミネラルとの見事な調和、余韻が心地よい。
マンダリン オリエンタル東京「タパス モラキュラーバー」で体験する、ビニャティゴのワインの至高のペアリング
この度、カナリア諸島の味わいを東京のラグジュアリーな空間で楽しめる絶好の機会です。大西洋に浮かぶ常春の小さな島の火山のテロワールを写すビニャティゴのワインと、牛窪シェフの革新的なお料理と、野坂ソムリエ率いるソムリエチームの一流のサービスから、どんな化学変化や融合が生まれるのか。マンダリン オリエンタル東京でしか体験できない、この貴重な機会をぜひお見逃しなく。
タパス モラキュラーバー
TAPAS MOLECULAR BAR
東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリン オリエンタル 東京 38F
ディナー
18:00~20:00(水曜日~日曜日)
20:30~22:30(水曜日~日曜日)
定休日 月曜日~火曜日
お電話 03 3270 8188 / 0120-806-823
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スペインワインと食協会 原田郁美
山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれ帰国後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。プリオラートでワインづくりとともに輸出サポート・ワインプロモーション全般、デザイン、執筆を行う。WSET ® Level 3 。Spanish Wine Specialist
Periodista de AGE IKUMI HARADA
Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. WSET ® Level 3.Spanish Wine Specialist.
PERIODISTA DE AGE
Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. Se mudó a España en 2012. Actualmente ofrece un servicio con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles y la promoción.WSET ® Level 3.Spanish Wine Specialist.