”ディスフルタール”の料理人オリオル・カストロが語る未来、そして日本への想い-Alimentaria2024

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”ディスフルタール”の料理人オリオル・カストロが語る未来、そして日本への想い-Alimentaria2024

text by Ikumi Harada/ photographs by @vanesa_sommelier, Alimentaria
Barcelona-March 29,2024

3月18日から21日まで、スペインのバルセロナで「アリメンタリア 2024(Alimentaria)」が開催され、10万7,900人もの来場者が訪れ、大成功のもと幕を閉じました。特に、The Horeca Hubで開催されたガストロノミー部門のトークイベントには、オリオル・カストロとエドゥアルド・シャトルク(Disfrutar)、ジョアンとジョルディ・ロカ(El Celler de Can Roca)、キケ・ダコスタ(Quique Dacosta)、フェラン・アドリア(el Bulli foundation)とアルベルト・アドリア(Enigma)など、世界的なスーパーシェフたちが登壇し、たくさんの人々が集まりました。

【Alimentaria2024レポート】アリメンタリア-食品・飲料・ガストロノミーの国際展示会(バルセロナ)

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Disfrutar(ディスフルタール)のオーナーシェフであるオリオル・カストロ、エドゥアルド・シャトルクは、2024年度のDisfrutar(ディスフルタール)の技術とコンセプトを紹介しました。常に驚きと感動に満ち溢れている彼らの料理は、実に高度なテクニックやコンセプトから生まれていることが、満席の観客に示されました。「モダンで差別化され、先進的でありながらも、現実的なレストラン運営」というスタイルを目指す、オリオルシェフらの考えがよく伝わるプレゼンテーションは、飲食業界に携わる人々の心を掴みました。

【ディスフルタール★★★】オリオル・カストロシェフへのインタビュー Entrevista a Oriol Castro, chef de "Disfrutar"

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筆者【原田】とオリオル・カストロ氏【オリオル】

アリメンタリア最終日の3月21日、The Horeca Hubで、2024年の最優秀シェフとウェイターを選ぶコンテストが開催されました。審判として参加したオリオルシェフにインタビューの機会をいただきました。

【原田】私にとって「ディスフルタール」での食体験は、初めての味わいや食感、プレゼンテーションなど、驚きの連続で今でも忘れられません。まさに、レストランの名前通りの ”ディスフルタール=楽しむ“ ことのできるレストランですね。

【オリオル】「ディスフルタール」の料理は、とても技術的で革新的なコンセプトに基づいています。新しい技術や通常とは異なるテクニックを取り入れながらも、私たちの料理は食材の素晴らしい味を活かし、伝統的な風味を大切にしながら、新しい驚きと感動を提供することを目指しています。

【原田】世界のベストレストラン50“で、2023年、ついに世界2位、そしてミシュラン3つ星を獲得した「ディスフルタール」ですが、コンクールに出場している若手のシェフたちにとっても、きっと大きな影響を与えていますね。

【オリオル】私たちの目指すのは「コンパルティール=共有」です。ですから、私たちは全ての技術を公開しています。もし若手のシェフたちが私たちのテクニックを活用してくれていたら、それはとても光栄なことです。

【原田】「ディスフルタール」はミシュラン三つ星を獲得してからますます、予約がすぐには取れないレストランになった印象です。日本からバルセロナに短い日数でお越しの方にとって、ハードルが高いという話を耳にしたのですが。

【オリオル】タイミングによっては、キャンセルがあるかもしれないので、電話やメールをいただけたらお席が取れる場合もあります。また、2022年にバルセロナにオープンした姉妹店「コンパルティール」は予約が比較的取りやすいので、日本から来られたら、”Casa= 家”のように使っていただけたら嬉しいです。

【原田】未来のガストロノミー界のトレンドについてどう思いますか?

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【オリオル】もし未来がわかるならば、私たちは既に行動しています。けれども、誰も未来は分かりません。私たちは、一日一日を大切にし、日々進化しています。新しい技術の導入も大切ですが、より重要なのは日々の活動が持続可能であり、環境への配慮があることだと思います。それはすぐに行動に移すべきことだと思います。

【原田】スペインのガストロノミックなレストランやバルでは、最近特にアジアや南米料理を取り入れたフュージョンが目立っています。この傾向は今後さらに強まると思いますか?

【オリオル】
私は、原点に立ち返ることが重要だと考えています。各国は、それぞれの伝統を尊重すべきです。世界はグローバル化していますが、この多様性は長所であると同時に、欠点でもあります。各国、各レストランが独自の個性と技術を持つことが重要です。その土台となるのは”伝統“だと思います。

【原田】日本の読者の方々にメッセージをお願いします。また、来日の予定などありますか?

【オリオル】今年、日本でのデモンストレーションの話も出ていましたが、おそらく来年になるでしょう。私たちは日本が大好きです。なぜなら、日本文化は、私たちが働いていた「エル・ブジ」の料理、そして運命をも変えたからです。日本料理はとても繊細で、愛情に溢れ、詩的です。スペインの食文化は、日本の食文化のおかげで豊かになりました。

【原田】「エル・ブジ」のフェラン・アドリアと「銀座 壬生(みぶ)」との出会いの舞台を観ました。素晴らしかったです!
舞台”El Tigre de Yuzu” -柚子の虎- フェラン・アドリアと壬生の物語

【オリオル】日本料理との出会いは、私たちにとって本当に重要なことだったのです。

【原田】日本人として、とても誇りに思います。日本にお越しのときは、ぜひ教えてくださいね。「ディスフルタール」と「コンパルティール」に、また伺う日を楽しみにしています。貴重な機会をありがとうございました。

スペインワインと食協会「推奨レストラン」Restaurantes recomendados de AGE-Japón

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スペインワインと食協会 原田郁美

山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれ帰国後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。プリオラートでワインづくりとともに輸出サポート・ワインプロモーション全般、デザイン、執筆を行う。WSET ® Level 3 。Spanish Wine Specialist
@ikumiharada

Periodista de AGE IKUMI HARADA

Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés.Actualmente ofrece un servicio con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles y la promoción.WSET ® Level 3.Spanish Wine Specialist.

PERIODISTA DE AGE

Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. Se mudó a España en 2012. Actualmente ofrece un servicio con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles y la promoción.WSET ® Level 3.Spanish Wine Specialist.