【ワイナリー訪問記】時を超える伝統の味わい、一流シェフたちが愛するCAVA「Mestres(メストレス)」
Ikumi Harada 20 December ,2024
バルセロナから車で40分、ペネデス地方に位置するサン・サドゥルニ・ダノイアは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵による伝統的な製法で作られる、スペインのスパークリングワイン「CAVA(カバ)」の発祥の地として知られています。
カタルーニャ地方を象徴するモンセラット(Montserrat)は、サン・サドゥルニ・ダノイアの北西に位置し、そびえる奇岩群と修道院で有名な神聖な山です。カタルーニャ語で「のこぎり山」を意味し、その独特な形状は、ガウディのサグラダ・ファミリアにも影響を与えたといわれています。
モンセラットはピレネー山脈からの冷たい風を遮り、サン・サドゥルニ・ダノイアでのブドウ栽培に理想的な条件を生み出していると語る、Mestres(メストレス)のダビッド氏。この日訪れた、高台にある樹齢80年の古木の畑をはじめ、CAVAの基盤となるブドウ品種(チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ)を中心に、20ヘクタールの畑を所有するメストレス。干ばつや温暖化で、ブドウの収穫が早まる昨今、標高の高い畑に植栽することで、気候変動に対応しています。
メストレス家30代目で、輸出担当のダビッド・アウラ(David Aura)氏
一流シェフたちに愛される伝統のCAVA「Mestres(メストレス)」
メストレス家は1312年以前からサン・サドゥルニ・ダノイアでブドウ畑を所有し、ワイン商としても知られていました。1928年のクリスマス、ジョセップ・メストレス・マノベンス氏は1925年収穫のブドウで、初めて瓶内二次発酵のスパークリングワインをリリース。これを機に、メストレス家はシャンパーニュ製法による長期熟成スパークリングワインの製造に特化してきました。
1948年、リコール・デ・エクスペディシオン(糖分の添加)なしで仕上げる辛口スパークリングワイン”ブリュット・ナチュレ(Brut Nature)”の第一人者に。さらに1960年2月、ジョセップ氏は”カバ(CAVA)”の名づけ親としても知られており、CAVAの躍進に欠かせない人物として名前を残しています。
カタルーニャ語で「洞窟」や「地下セラー」を意味する”カバ(CAVA)”
メストレス家の哲学は、古樹の固有品種を手摘みで収穫し、伝統を守り、王冠ではなく天然コルクを使って瓶内二次発酵と長期熟成を行うことにあります。
通常のCAVAやシャンパーニュでは、瓶口の澱を凍らせて取り除きますが、メストレスではワインに負担をかけず、さらにTCA(コルク臭)のリスクを回避するために、凍らせず一本一本手作業でデゴルジュマン(澱抜き)を行っています。このような伝統的な長期熟成と丁寧な手作業の積み重ねが、プレミアムな品質と味わいを生み出しているのです。スペイン全土で合計140のミシュラン星を誇るレストランで取り扱われているのも納得のクオリティです。
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Mas Via 2002 Gran Reserva Brut La Cavateca
20年の熟成を経て、2022年にデゴルジュマンされた2002年のスペシャルキュヴェ。限定450本。
クリーミーな口当たりとともに、上質な木樽やナッツ、カカオ、コーヒーの香りが広がります。熟した桃やアプリコットの果実味にミネラル感が調和し、エレガントな仕上がり。
写真は、10月に訪れたジローナの三つ星レストラン「エル・セリェール・デ・カン・ロカ」にて、デザートとのペアリングの一枚。
天然コルク栓を使った瓶内熟成は、コルクを通して酸素の微細な交換が行われ、
41種類のフェノール化合物のアロマが生まれる、と語るダビッド氏
輸入元:株式会社アレグレット
半世紀の歴史が育んだ、カタルーニャの炭火焼き郷土料理「カル・チム(Cal Xim)」
レストラン・カル・チム オーナーの一人
炭火焼のマエストロ フィデル氏
ワインツーリズムの醍醐味の一つは、地元の美味しい料理との出会いではないでしょうか。サン・サドゥルニ・ダノイアからわずか10~12kmの距離にある小さな村、サン・パウ・ドルダル(Sant Pau d’Ordal)。この地に佇むレストラン「カル・チム(Cal Xim)」は、炭火焼を中心としたカタルーニャ郷土料理で知られ、ペネデスのワイン生産者をはじめ、世界の美食家たちに愛されています。
炭火で焼いたアーティチョーク
ピレネー山脈にあるアンドラや、カタルーニャの山岳地帯でも
食べられる冬の郷土料理トリンチャット
炭火の香りと絶妙な火加減が引き立てる、塩漬け鱈(バカラオ)の旨み。
これぞ職人技の一皿
ペネデス産のワインがずらりと並ぶ
今年で50周年を迎えたレストラン・カル・チムのオーナーサンティ氏は
「地元の生産者が3世代にわたって通ってくれるんだ」
と目を細めながら語る
伝統とテロワールが織り成す、 ペネデスの豊かな食とCAVAの世界へ
「メストレス」のCAVAづくりとレストラン「カル・チム」の郷土料理は、カタルーニャのワインと食文化の真髄を映し出しています。どちらも、受け継がれた伝統や家族の絆、そしてテロワールへの深い敬意を大切にしながら、訪れる人々にその魅力を伝えています。CAVAの聖地、サン・サドゥルニ・ダノイアで息づくこれらの文化と情熱は、次の世代へと受け継がれるべき大切な宝物です。
CAVAと郷土料理が織り成す特別なひとときを通じて、カタルーニャの豊かな文化を五感で感じる旅に、ぜひ出かけてみられてはいかがでしょう。
★Mestres メストレス
https://mestres.es/es/origenes/
@cavamestres
★Restaurant Cal Xim カル・チム
https://www.restaurantcalxim.com/
@cal.tim
Plaça de Subirats, 5, 08739 Sant Pau d’Ordal, Barcelona
+ 34 93 899 30 92
スペインワインと食協会 原田郁美
山口県出身。大学卒業後、広告代理店でデザイナーとしてのキャリアを積んだ後、スペインに語学留学。バルセロナでの3年間の生活を通じて、スペインワインと食文化に深く魅了され、帰国後は「日本とスペインをつなぐ架け橋」を志して独立。2011年に「スペインワインと食協会」を設立。2012年からはプリオラートでのワイン造り、国際営業マネージャー、スペインワインのプロモーション活動、及び執筆を手掛ける。WSET ® Level 3 , Spanish Wine Specialist(ICEX-スペイン貿易投資振興機構認定)
PERIODISTA DE AGE
Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. Se mudó a España en 2012. Actualmente ofrece un servicio con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles y la promoción.WSET ® Level 3
Periodista de age
Co-presidenta y periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. Se mudó a España en 2012. Actualmente ofrece un servicio con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles y la promoción.WSET ® Level 3.Spanish Wine Specialist.
