【BWWレポート】CAVAと鮨”OMAKASE”テイスティングセミナー by Zuara Sushi*

By 16 February, 2023EVENT REPORT, MEDIA, NEWS, SPAIN, WINE

【BWWレポート】CAVAと鮨"OMAKASE"テイスティングセミナー by Zuara Sushi*

こんにちは、スペインワインと食協会の原田です。この度のレポートは、「バルセロナワインウィーク(BWW)」でマドリードのミシュラン一つ星「Zuara Sushi(ずあら)」のシェフDavid Arauz(ダビッド・アラウス)と、同店のソムリエÁlvaro Prieto(アルバロ・プリエト)が発表した「CAVAの多様性を和食”OMAKASE“と味わう」テイスティングセミナーについてご紹介します。

スペインのSUSHIブームは、私がバルセロナで留学していた2005年当時からすでにありましたが、和食店のほとんどは中国人が経営する回転寿司や、ビュッフェスタイルで、ニギリ寿司も刺し身もサーモンとマグロのみ。さまざまな種類のMAKI(巻き寿司)が主役という感じでした。シャリはパサパサだったりベタベタしていたり、日本人にとっては残念な店が一般的でした。あれから18年の月日が流れ、都会には日本人の鮨職人が握る本格的な店も増え、大手スーパーのSUSHIコーナーで、スペイン人が日常でテイクアウトするほど定番化しました。とはいえ、魚嫌いの若者や、60代以上は生魚に抵抗がある人が多く「SUSHIなんて絶対無理」という層も、もちろんいるのですが。

そんな中、カウンタースタイルの高級鮨店が注目を集めています。今回BWWでテイスティングセミナーを行ったマドリードの「Zuara Sushi」は、開店後わずか7ヶ月でミシュラン一つ星を獲得。スペイン人のシェフ、ダビッド・アラウスは、スペインの高級和食店「Kabuki」「 Kazan」「99 KO Sushi Bar」で経験を重ね、国内および国際的な分野で最も新進気鋭のシェフの 1 と言われています。ニューヨーク、パリ、ロンドンでも人気の日本発祥の”OMAKASE“スタイルを、シェフが常に言及しているせいか、最近ではスペインでもフーディーの間で”OMAKASE“という言葉が通じるようになりました。

「Zuara Sushi」ソムリエ アルバロ・プリエト

そんなダビッド・アラウスとタッグを組んだのが、こちらも華々しいキャリアを持つソムリエのアルバロ・プリエト。アルバロは、マドリードの「El Club Allard 」テネリフェの「MB Abama (マルティン・ベラサテギ)」」アイルランドの 「Gordon Ramsey’s (ゴードン・ラムゼイ・レストラン)」、ロンドンの 「Ametsa by Arzak(アルサック)」と、一流レストランでソムリエとして研鑽を積みました。そのアルバロが鮨屋のソムリエを務めるということは、とても意義があることだと思いました。

というのも、従来の鮨屋は、お鮨が主役でドリンクにはそこまで期待しない、もしくはワインリストにがっかりするケースが大半だったのが、国際的なソムリエ アルバロの存在で、鮨とワインペアリングをセットで楽しみに訪れるお客様が殺到しているのです。私自身、ソムリエがいるお寿司屋さん体験は、日本でもスペインでもまだなかったので、特に画期的だと思いました。

そんな注目の二人が生みだした、鮨とCAVAとのマリアージュをご紹介します。

1.Tradició Brut Cava de Guarda Superior Reserva 2017 〈Mont-Ferrant〉
トラディシオ ブルット カバ デ グアルダ スペリオル レセルバ 2017        生産者 モン・フェラン
:Chawanmoshi de buey de mar カニの茶碗蒸し

2.Nigrum Brut 2018 Cava de Guarda Superior Reserva          〈Mascaró〉
ニグラム ブルット 2018 カバ デ グアルダ      生産者マスカロ
:Nigiri de hamachi ahumado スモーク ハマチのにぎり

3.Albert de Vilarnau 2016 Cava de Guarda Superior Gran Reserva  Fermentado en castaño 〈Vilarnau〉
アルベルト デ ビラルナウ 2016 カバ デ グアルダ スペリオル グランレセルバ  (栗の樽で発酵)   生産者ビラルナウ
:Nigiri de emperador madurado  熟成メカジキのにぎり

4.Elena 2018 Cava de Guarda Superior Gran Reserva    〈Mestres〉
エレナ 2018 カバ デ グアルダ スペリオル グランレセルバ  生産者 メストレス
:Nigiri de toro y caviar トロとキャビアのにぎり

5.Mirgin Opus 2017  Cava de Guarda Superior de Paraje Calificado    〈Alta Alella 〉
・ミルジン オプス 2017 カバ デ グアルダ スペリオル デ パラへ カリフィカード    生産者 アルタ・アレーリャ
:Futomaki de atún, hamachi y encurtidos マグロ、ハマチ、ピクルスの太巻

日本の鮨を通じて、カバの多様性を追求した「Zuara Sushi」の”OMAKASE”は、さまざまな美食体験を高みへ誘うCAVAの可能性を実証しました。

Zuara Sushiシェフダビッド・アラウス

Zuara Suhi HPはこちら

D.O.CAVABWW会長ハビエル・パジェス

D.O.CAVABWWの会長を務めるハビエル・パジェスは、

「シェフの ダビッド・アラウスとソムリエの アルバロ・プリエトの手により、最高レベルのガストロノミーの要素として、CAVA の多用性を発見することができました。CAVAは、日本料理をはじめ、世界で最も複雑な料理にも、食事のはじまりから終わりまで、すばらしいハーモニーを奏でます。また世界中のあらゆる料理と調和するため、CAVAに国境はありません」と語りました。

テイスティングセミナーを主催したD.O.CAVAについて

国外への売上高が 70% 以上を占めるD.O.CAVA は、スペイン国内で、最も輸出量が多い D.O. の 1 つです。 38,000 haを超えるブドウ畑と 6,200 人以上のぶどう栽培家が所属しており、349 社のワイナリーのCAVAは100カ国以上に輸出されています。2022年12月のインタビューで、観光と輸出の回復のおかげで、2022年は、販売本数が 2 億 4,500 万本に達すると予想。過去 2 年間に「記録的な売上高」が達成されたことを明らかにしました。

2021年までは、CAVAの主要な輸出国は、ドイツ、英国、ベルギー、アメリカ、日本の順番でしたが、2022年は、市場の優先順位にいくつかの変化がありました。
CAVAの輸出国No.1は常連のドイツ。スウェーデン、ロシア、オランダ、スイスが成長する一方で、アメリカ、英国、日本、ベルギー、フランスでの販売は停滞しています。


BWW
でのD.O.CAVAのこの試みにより、2023年は、日本の鮨屋や和食店にも、高品質なCAVAがオンリストされることを祈っています。また、「Zuara Sushi」のように、スペインでワインペアリングにもこだわる鮨屋が増えることで、高品質な日本ワインや日本酒にも、これからよりスポットライトが当たり、スペインへの輸出の可能性も増えるでしょう。日本とスペイン、お互いの素晴らしい食文化が交わることで、CAVAをはじめスペインワインと、日本ワインや日本酒が、両国で盛り上がる、そんな素敵なハーモニーが生まれる日はそう遠くないかもしれません。


来年のBWWは、2024年2月5〜7日開催予定

Alimentaria Exhibitions 社を通じて Fira Barcelona が主催する BWW は、スペイン ワイン連盟 (FEV)、農水産食品省 (MAPA)、スペイン貿易投資庁(ICEX)の支援を受けています。 次回は 2024 2 5 日から 7 日まで、同じくフィラ デ ・バルセロナ・モンジュイック会場で開催されます。

これからも、BWWについて、スペインワインと食協会でレポートしていきますので、どうぞお楽しみに!

バルセロナワインウィーク公式サイト
BWW Official site

BWW Official site(バルセロナワインウィーク公式サイト)

#BarcelonaWineWeek2023

スペインワインと食協会 原田郁美

山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれ帰国後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。プリオラートでワインづくりとともに輸出サポート・ワインプロモーション全般、デザイン、執筆を行う。WSET ® Level 3 。

Periodista de AGE Ikumi Harada

Co-presidenta y  periodista de la AGE, que se dedica a apoyar a los productores de vinos españoles para promocionar sus productos en el mercado japonés. Se mudó a España en 2012. Actualmente ofrece un “Servicio Puente” con el cual apoya la exportación de vinos y alimentos españoles a Japón, se encarga de hacer la traducción e interpretación relacionada con vinos españoles, el diseño y la promoción.WSET ® Level 3