vol.1 ドン・キホーテの舞台 カスティーリャ・ラ・マンチャの食文化 (ヴェルム醸造家 エリアス・ロペス・モンテロ氏)
はじめまして。スペイン食文化協会の原田郁美です。
初めてスペインを旅したのは、今から15年前のことでした。
パエリア、ハモン、トルティーリャ、ワインにシェリーにスパークリングワイン・カヴァ。Spain on the roadのグウィネス達が夢中になったように、私も美食天国スペインにたちまち恋に落ち、3年間暮らしました。地方によってまるで別の国のような個性を放つスペインの街。その奥の深さにますます虜になり、同じようにスペイン大好きな加藤智子と2010年8月「スペイン食文化協会」を発足しました。
Spain on the roadでは、グウィネスたちが、13回にわたってその土地の文化や伝統料理を紹介していきます。私たちスペイン食文化協会も番組に合わせて、その地方や食文化に精通した方々にインタビューしていきます。みなさん、一緒にスペインのディープな旅を楽しみましょう!


●ドン・キホーテの舞台 カスティーリャ・ラ・マンチャの食文化について

ラテン語で「真実」という名のワイナリーVERUM【ヴェルム】のオーナー兼醸造家のエリアス氏。彼のワインは、スペイン国内の三ツ星レストランをはじめ、星付きレストランに続々とオンリストされている今注目の若手醸造家ですが、彼自身もかなりの食通。
エリアス氏が生まれ育ち、ワイナリーを営むカスティーリャ・ラ・マンチャについてインタビューしてみました。

Q, カスティーリャ・ラ・マンチャの料理の特徴とお勧めメニューは?
A, カスティーリャ・ラ・マンチャの料理は、セルバンテスの「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」なしには語れないと思う。羊乳で作られるチーズ「ケソ・マンチェゴ」、カリンの実を砂糖で煮詰めて固めたお菓子「メンブリージョ」。このメンブリージョを「ケソ・マンチェゴ」に乗せて食べると本当に美味しい。
また、狩猟文化が発達していることから、子羊のシチュー「カルデレタ・デ・コルデロ」や、ウサギとウズラのパスタ「パスタ・コン・ペルディス・イ・コネホ」などが有名だね。
Q, スペインは地方によって人々の気質が違うといわれていますね。
カスティーリャ・ラ・マンチャはどんなタイプが多いと思いますか?
A, オープンで、あっけらかんとしていて、冗談が好きでよく笑う、
そんなタイプが多いと言われているね。そして、とても親切。
Q,お勧めのレストランは?(HP一応記載しておきます)
A, まず、一番お勧めなのは、カスティーリャ・ラ・マンチャで最も重要なシェフ「マヌアル・デ・ラ・オサ」のレストランLas Rejas[ ラス・レハス]。 (http://www.lasrejas.net/)
シウダッド・レアルにある19世紀の名家を改築したレストラン、Restaurante El Corregidor[ レストランテ・エル・コレヒドール]もお勧め。そして、ドンキホーテの風車の麓にあるRestaurante las Musas[レストランテ・ラス・ムサス] (http://www.lasmusasrestaurante.com/)もラ・マンチャらしさを味わえる。最後に、トレドの教会の近くにある La Orza[ラ・オルサ](http://www.laorza.com/)は、カジュアルで美味しくとても親しみやすいね。
Q,ラ・マンチャのワインは、ここ10年で目覚しい変革を遂げていると聞きますが、
そのことについてどう思いますか?
A,今から10数年前、ラ・マンチャのワインは、大量生産のテーブルワインというイメージが強かった。けれども実は、気候、テロワール共に、葡萄畑として理想的な土地で、果実の質、熟成周期、葡萄の健康状態において秀逸な素晴らしさと、コストパフォーマンスを誇っているのだという事実に、ワイン醸造学者などの専門家たちが着目してから、変革が始まったんだ。またそれを支えるため、莫大な投資が結集したことが、現在のラ・マンチャのワインの飛躍的な向上につながったといえるだろう。

つねに、礼儀正しく謙虚なエリアス氏。カスティーリャ・ラ・マンチャ、これからも目が放せません!どうもありがとうございました。
[エリアス氏 プロフィール]
ワイナリーVERUM[ヴェルム]オーナー・醸造家
エリアス・ロペス・モンテロ
1979年生まれ。2002年より元UNICO「ウニコ」の天才醸造家マリアノ・ガルシア氏に師事。2004年南アフリカで最大の受賞歴を誇るプレミアムワイナリー「Distell」で幅広い技術を習得。2005年から、あえてV.T. Castillaで新しいプロジェクト「VERUM[ヴェルム]」を設立。リオハでマスター取得。秀逸なワインを造りだし、有名レストランに次々とオンリストされている。
スペインワインと食協会 インタビュアー 原田郁美
山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれる。バルセロナ、東京でWebマーケティング会社勤務後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立、スペインワイン生産者の日本市場進出サポートを行う。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。スペイン産ワインと食品に特化した、輸出サポート・プロモーション全般、デザイン、執筆を行う。WSET ® Level 3(英国政府認定)
