【コルク編Vol.2】
パラモン社天然コルクについて
〜スペインワインと食大学〜
こんにちは、スペインワインと食協会の原田です。
先日の【コルク編Vol.1】の続編をお届けします。
プレスセミナー中に話題になったのは、
やはり誰もが気にしているブショネの原因物質TCA(トリクロロアニソール)についてでした。
TCA(トリクロロアニソール)・・・
アニソールが塩素化された有機塩素化合物の一種。TCAや2,4,6-TCAと略記される。強いカビ臭を持つ。木材防腐剤などとして使われる物質が微生物に代謝されることによって発生し、しばしばワインなどの異臭の原因となる。(Wikipediaより)
ブショネ(Bouchonne-語源はフランス語のBouchon=コルクなど瓶口を塞ぐ栓が由来)
の語源となっている通り、ブショネ(コルクのカビたような臭い)は、
通常コルクの汚染が原因とみなされる場合が多いですが、
TCAはコルクのみならず、 熟成の過程で使用したオーク樽や、
ワインに限らず、劣化した食品、ミネラルウォーター、
梱包材、建築資材からも検出されています。
手塩にかけて育てた葡萄を収穫し、発酵、醸造、熟成させ、
瓶詰めする時の最後の砦のコルクが汚染されていると、
今までの気の遠くなるような全ての工程が、台無しになってしまいます。
2013年からパラモンのコルクを使用している グレイスワイン醸造家三澤彩奈さんや、
I・k・u 青山のエグゼクティブソムリエの森上久生さんも、
深刻なブショネの問題について問われていました。
グレイスワイン醸造家三澤彩奈さん
この日のサプライスワイン「キュヴェ三澤明野甲州 2013」は、 イギリスのワイン雑誌「デキャンタ」主催「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード」においてアジアで初めて金賞を受賞。
講師 フランセスク・パラモン氏
パラモン社三代目社長。1997年、革新的な技術と、パラモン社の経済発展のプロセスを高く評価され「カタルーニャの若手起業家コンクール」で優勝。2004年カタルーニャ州から「発展し続ける伝統的な輸出会社」として名誉ある賞を受賞。
ワイン研究家 林麻由美先生
株式会社ドーメックス副社長、ワイン研究家。東京・青山のアカデミー・デュ・ヴァンの大人気講師。
麻由美先生のレポートをご紹介します!→「高品質を追求するパラモン社のコルクセミナー@コンラッド東京」
それに対する、フランセスク氏の解答です。
「美味しいワインを造る為には、健康で美味しい葡萄が必要です。
天然コルク栓も、健康で品質の高い原材料の選定が、8割を占めるほど重要です。
コルク栓は、コルク樫の林を伐採して造るのではなく、
コルク樫の樹皮のみを採取して製造される自然に優しい製品です。
ほとんどのコルク会社では、樹皮の採取後すぐにコルク製造を行いますが、
コルク樫は植物ということを忘れてはいけないと思います。
例えば、オーク樽を想像したら分かりやすいと思います。
オーク樫の伐採後、樽板にし1年以上屋外にさらして初めて樽造りに用いますよね。
弊社では、オーク樽と同じように、組織がきちんと安定するまで少なくとも12ヶ月、コルク板を保管熟成します。
コンラッド東京「風化」の日本食とワインと、
きめ細やかなサービスが、心地よく至福の時を紡ぎます。
一つ違うのは、樽のように野ざらしにせず、屋根付きの倉庫で保管することです。
コルク板を積んだ正方形のブロックは、約75キロですが、1年後屋根付きの倉庫で乾燥、
熟成させることで、余分な水分などが蒸発し、70キロになります。
逆に、野ざらしにされ雨や埃などを含んだコルクブロックは、
120キロまでに膨れあがりますので、微生物などの発生を防ぐためにも、
パラモン社では、A〜Dランクに分かれるコルクのランクの中で、
最高品質「A」ランクのみを厳選。
その後、コルクの成熟に適した地中海性気候の、
自社工場内の屋根付きの倉庫内で保管熟成します。
1.厳選した高品質な原材料
2.熟成・乾燥の為の12ヶ月の保管
3.世界初の最新技術を駆使した、製造技術
が、TCAの発生を劇的に減少させます。
常にTCAの発生率をできる限り低めるよう企業努力を重ねていますが、
天然コルクは、その名の通り自然をそのままくり抜いた天然の産物なのです。
時々苦いアーモンドに運悪く当たってしまうことがあるように、
いくら原料からこだわり抜いても、自然の産物故、
「100%完璧なコルク栓」を宣言することは、
現在の最新テクノロジーを駆使しても、世界的に不可能なのが現状です。
けれども、常に改善に改善を重ね、天然コルクという自然の恩恵が与えてくれる
「長所」を守りながら、TCAを限りなく0%に近づけ、
皆様の大切なワインを守る、最強のストッパーになれるよう、
日々技術革新と挑戦をしていきます。」
【パラモン社の今までの技術革新と開発】
2006年、コルクの煮沸洗浄システムで特許取得。
2007年、世界初、コルクの品質を厳選する人工カメラを開発。
2009年、世界初、 コルクの焼き印にレーザーの機械を導入。
2012年、世界初、コルクを3Dの視点から厳選する機械を導入。
2014年、世界初、コルクの色を人工的に厳選する機械を導入。
【パラモン社ホームページ(PARRAMON EXPORTAP)】
http://www.parramonexportap.com/
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最後に。
まだ知られざる天然コルクの世界。ワインの生産者さまを含めたプロフェッショナルの方々が、
大変興味を持ってくださったことを、とても嬉しく思います。
「スペインワインと食大学」では、独自の切り口で、
レストラン、生産者、インポーター、消費者の方々と連結して、
皆で、楽しみながらスペインを探求するスペシャルな講義を行って参ります。
これからも、「スペインワインと食大学」をどうぞよろしくお願い致します。
【スペインワインと食大学〜コルク編〜バックナンバー】
●【コルク編 Vol.1】パラモン社の天然コルクについて 〜スペインワインと食大学〜
【文】スペインワインと食協会 原田郁美 IKUMI HARADA
広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれる。帰国後「日本とスペイン を つなぐ架け橋」を目指し独立、「スペインワインと食協会」設立。試飲会をはじめ、スペインワイン生産者の日本市場進出サポートを行う。2012年結婚を機に再び渡西。 プリオラートで夫のワイナリー「グリフォイ・デクララ」を支えつつ、スペイン産のワインと食品などの輸出、スペイン語ワイン通訳、プロモー ションを行う。WSET Advanced Certificate(英国政府認定)資格取得。




