
【レポート】大阪のバスク料理店"ETXOLA(エチョラ)"で開催。”VERUM+Ulterior”メーカーズディナー
こんにちは、スペインワインと食協会の原田です。
2022年に12周年を迎えた大阪の実力派バスク料理店「ETXOLA(エチョラ)」で、スペイン ラ・マンチャ地方の醸造家エリアス・ロペス・モンテロの来日を記念し、昨年11月に開催されたメーカーズディナーのレポートをお届けします。

バスク語で「山小屋」の意味を持つ「ETXOLA(エチョラ)」は、まだ日本で今ほどバスク料理が知られていなかった2010年7月に、オーナーソムリエ平山 仁さんが始められた、本格バスク料理とこだわりのスペインワインが楽しめるレストランです。
私も2013年頃、初めてランチをいただいてからすっかりファンになり、いつかディナーも食べてみたい、と思いを馳せていました。
この度「VERUM」と「ウルテリオール」2つのブランドの醸造責任者で、世界最優秀ブドウ栽培家に輝いた(※)エリアス・ロペス・モンテロの3年ぶりの来日を記念して、ウルテリオール輸入元正光社ワイン事業部様と、VERUM輸入元アルカン様、そしてレストランと生産者のコラボレーションのおかげで、夢のような一夜限りのメーカーズディナーが実現しました。
(※)ドイツのキッチンメーカーガゲナウのコンテスト(2021年)にて

この日は、スパークリングワインのグラン・クエバ以外は、すべて”ティナハ”と呼ばれる伝統的な素焼きの大甕で熟成されているのが特徴。どれもクリーンでありながらテクスチャあふれるワイン。

VERUM, Ulterior 醸造家エリアス・ロペス・モンテロ氏
Elías Lopez Montero
マドリード、リオハでワイン醸造学を学び、地元トメジョーソでキャリアをスタート。2002年、リベラ・デル・デュエロのAALTO、2004年、南アフリカのディステル社で研鑽を積む。2005年トメジョーソに戻り、家族と共にボデガス・イ・ビニェドス・ヴェルム設立、20代でオーナー醸造責任者に就任。
2007年、プロジェクト「ULTERIOR(ウルテリオール)」を始動。カスティーリャ・ラ・マンチャのワイン総合研究所(IVICAM)と共同で、ラ・マンチャの絶滅危惧品種の復活のため、自社畑に失われかけた土着品種の植栽を始める。
毎年、夏はスペインで、冬は南半球のアルゼンチンやチリでワインづくりに勤しむ。パタゴニアでワインづくりを行った、初めてのスペイン人醸造家。
英国の「Decanter(2018年3月)」誌で、「スペインワインの将来を築いていく若き醸造家10人」の1人に選ばれる。続いて、ドイツのビルトインキッチン機器メーカー ガゲナウの『Respected by GAGGENAU 2021』で、世界最優秀ブドウ栽培家に選ばれた。
ETXOLA(エチョラ)シェフ 清水 和博 氏
Kazuhiro Shimizu
1989年、兵庫県生まれ。中学時代に、幻の三つ星として語り継がれる【エル・ブジ】をテレビで知り、スペイン料理に興味を持つ。しかし、まずは料理人としての世界を広げるべく、無国籍料理の【KIHACHI】で修業。6年後、スペインに渡ろうと計画していた際に誘いをうけ、姉妹店の【gastroteka bimendi】を経て【ETXOLA】のシェフとなる。毎年スペイン・バスクの星付きレストランやワイナリーに滞在。バスクの味を追い求める。
ETXOLA エチョラでこれだけは食べてほしいベスト3→★

本来はバスク料理専門店である「ETXOLA(エチョラ)」が、ラ・マンチャ出身のエリアスのワインに合わせて、前菜からデザートまで、ラ・マンチャ料理という一夜限りのスペシャルコースで迎えてくださいました。日本でもバルセロナでも、ラ・マンチャ料理専門店と掲げているレストランはあまり見かけませんが、ラ・マンチャ地方を訪れた時に味わった、ガチャスやピストなどの郷土料理が、清水シェフの手にかかると、こんなにも繊細で洗練された味わいになるのか!と、とても新鮮でした。またエリアスの軽やかでエレガントなワインとの相性もぴったりで、エリアス自身も感動していました。

正光社の内海紗良さんの進行と通訳のもと、VERUMとウルテリオールについて、醸造家エリアスのプレゼンテーションの後は、スパークリングワイン”グラン・クエバ”で乾杯!(VERUM Gran Cueva ぶどう品種:シャルドネ。瓶内二次発酵、36ヵ月以上瓶内熟成)

ラ・マンチャ風ガチャス
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VERUM グラン・クエバ

足赤海老とレンズ豆のサラダ
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ウルテリオールNo.7,9 アルビージョ・レアル

ラ・マンチャ風ウサギと鶏肉のガスパチョ
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ウルテリオール・ナランハ(オレンジワイン)品種:アルビージョレアル85% モラビア・アグリア15%

フランス産キノコの炭火焼きと温度卵
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ウルテリオールNo.6 ガルナッチャ

豚のスペアリブこはん
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VERUM ラス・ティナダス センシベル
(テンプラニーリョ)

鹿児島産和牛ランプの炭火焼き
ラ・マンチャ風ピスト
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VERUMラス・ティナダスセンシベル
お客様は「ETXOLA(エチョラ)」の常連の方々や、醸造家エリアスのワインのファンの方、ワインを通じて出会ったお友達などさまざま。みなさん口々に、「ラ・マンチャ地方の料理を食べたのは初めてだよ」「このお肉の火入れ、完璧ね!」「ガルナッチャからこんなにエレガントなワインができるなんて!」「このマリアージュ、スペインに戻った時にやってみるよ」など、レストランは、笑顔と驚きに包まれ高揚していました。

「ETXOLA(エチョラ)」チームのみなさまの素晴らしいサービスとチームワークのおかげで実現した、忘れられないメーカーズディナーとなりました。
スペインワインと食協会が掲げる理念の中に、
.”スペインワインと食”の生産・流通・飲食従事者と消費者をつなぎ、
”スペインワインと食”のさらなる普及を目指します。
というスローガンがあります。この度のメーカーズディナーは、まさに生産者とインポーター、レストランと消費者のみなさまが、「スペインワインと食」を真ん中に繋がった素晴らしい会でした。このような機会を、これからもさまざまな形で応援してまいります。
スペインワインと食協会 原田郁美
山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれ帰国後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。プリオラートでワインづくりとともに輸出サポート・ワインプロモーション全般、デザイン、執筆を行う。WSET ® Level 3 。