【スペイン美食インタビュー VOL.2】「クックパッド・スペイン」アリカンテ駐在 鎌田麻以子さん

By 28 February, 2020MEDIA, NEWS, SPAIN

【スペイン美食インタビュー VOL.2】「クックパッド・スペイン」アリカンテ駐在 鎌田麻以子さん

こんにちは、スペインワインと食協会の原田です。バルセロナ留学時代、スペイン食文化の豊かさは私に大きな衝撃を与えてくれましたが、特に驚いたのは、スペイン人の家庭料理の上手さでした。日本では忙しい職場にいたことを言い訳に外食が当たり前で、料理らしい料理をしたことが無かった私にとって、独身で年下のお料理上手な友人たちから、たくさん刺激を受けました。

最近は、スペインでも都会は駆け足になりましたが、地方はまだ、お昼ごはんを家族と家でゆっくり食べたり、週末、親戚で集まってパエリアを囲んだりと、ホームパーティーがさかんなスペイン人は、おもてなし料理をする機会が多いせいか、大人数でのパーティー料理も実に鮮やかに作ります。手伝ううちに覚えた料理が、意外に簡単なのにも驚きました。シンプルなのに、目にも鮮やか。なんでこんなに美味しいの?

スペイン留学をきっかけに、料理をするようになった私の強い味方は「クックパッド」でした。「クックパッド」は、写真入りで見やすく、検索してもいつも上位に出てくるのも時短につながり重宝しています。 実は、スペイン語サイトもあるなんて、スペインワインと食協会が運営する「公式グループ」で鎌田さんの投稿を読むまで知りませんでした。あの「クックパッド」がスペインに?しかも、マドリード、バルセロナでもなくアリカンテ?興味を引かれたので、アリカンテのオフィスを訪れ、スペイン、ポルトガルおよびラテンアメリカ各国のデータ分析と業務改善を担当している、鎌田麻以子さんにインタビューをさせていただきました。

アリカンテ郊外にある、クックパッド・スペインのオフィス

【原田】
初めてアリカンテを訪れましたが、冬なのに初夏のような暖かさですね。バルセロナから南にAVEで四時間半でしたが、すっかり服を間違えてしまいました。それにしても、「クックパッド・スペイン」オフィス、なんて素敵なんでしょう!

【鎌田】
かつての見張り台を改築した建物で、Torre Juana(トレ・フアーナ)といいます。このオフィスには、コミュニティ・マネージャーやエンジニア、デザ イナーなど計13名が勤務しています。2020年 2月1日、クックパッド・スペインは、お陰様で6周年を迎えました。

【原田】
おめでとうございます。鎌田さんは、東京からこちらのオフィスに来られて二年目になると伺いました。実際アリカンテで暮らしながら、クックパッドのレシピでスペイン料理を作ってみられて、改めて、スペイン料理についてどう思われますか?

 

【鎌田】
スペイン料理は、食材を楽しむ料理だと思います。アリカンテは、地中海の 新鮮な海の幸や、太陽の恵みをたっぷり浴びた野菜など、食材の宝庫です。 フレッシュトマトにエクストラ・バージン・オリーブオイルと岩塩をふりか けるだけで、とっても美味しいご馳走になるのは凄いです。スペイン料理 は、「食材を活かす料理」だと思います。

【原田】
なるほど「食材を活かす料理」。アリカンテがあるバレンシア州やカタルーニャ州が育む地中海料理、そして大西洋側のガリシア料理は特に「食材を活かす料理」だと感じますね。 パリで活躍するミシュラン星付きの日本人シェフが、「野菜はアリカンテに買いに行きます」と言われていたことを、ふと思い出しましたが、一年を通して晴天、太陽に恵まれたこの土地で育つ野菜や果物は、さぞかし美味しいでしょうね。

【原田】
日本語、スペイン語をはじめ、「クックパッド」は、海外ではどのような展開をされているのですか?

【鎌田】
クックパッドは30言語、70カ国以上でレシピサービスを展開しています (2019年12月現在)。海外事 業の中心拠点はイギリスのブリストルにあり、その他インドネシア、レバノ ン、ロシア、そしてスペインなど主要拠点にオフィスがあります。このうちスペインチームは、スペインとスペイン語圏全体を担当しています (厳密に言うと、お隣ポルトガルもスペイン・オフィスが担当しています)。そして、クックパッド・スペイン語版にはスペイン語語圏各国からレシピが投稿されています。

スペイン語圏全体ということは、そう、メキシコ、アルゼンチン、コロンビ ア、ベネズエラ、キューバ、ボリビアなど、21カ国で利用されています。 実はスペインオフィスに物理的に出勤しているのはチームの半数で、それ以 外はメキシコ、コロンビア、チリ、ペルー、ウルグアイ、アルゼンチンから リモート勤務しています。

【原田】
21カ国!日本語を話す国は日本のみと考えると、改めてスペイン語圏の話者の多さを感じますね。スペインワインと食協会のアンバサダーにも、スペイン語を学んでいる方がたくさんいらっしゃいます。「クックパッド」の、スペイン語レシピで料理をすると、本場スペイン料理(スペイン語圏の料理)とスペイン語の勉強にもなり、一石二鳥ですね!

【鎌田】
「クックパッド」を、単なるレシピサイトと思っている方が多くいらっしゃ るかもしれませんが、レシピを通じたコミュニケーションを楽しむ「コミュ ニティ」です。弊社のミッションは、「毎日の料理を楽しみにする」。目指 しているのは、料理を通じての「コミュニケーション」なので、レシピを投 稿するだけでなく、“つくれぽ”を送ったり、レシピ投稿者と気軽にチャット で交流したり、お気に入りのレシピをスペイン語で投稿することで、スペイ ン語圏のユーザーと交流していただけたら、こんなに嬉しいことはありませ ん。特に、日本料理の人気は世界的にも根強く、日本人が日本のレシピをス ペイン語で発信すると、食いつきがすごい。スペイン語でのコミュニケーシ ョンの輪が広がっていくと思います。

クックパッド・スペインのサイトはこちら

【原田】クックバッド・スペインのサイトには、美味しそうなレシピが満載ですね。オススメレシピやユーザーがいらしたら教えていただけますか?

【鎌田】

クックパッド・スペインに勤務しているコミュニティマネージャーはみん な料理が大好き、そして料理上手なので、彼らのレシピはおすすめです。肩 肘張らずに毎日の料理を投稿しているので作りやすいものが多いですし、タ イトルの下にあるレシピにまつわる話も彼らの人柄や生活っぷり伝わってき て面白いですよ。

・マリアのレシピ
・エレナのレシピ
・イレーネのレシピ
・サラのレシピ
・アルフォンソのレシピ

 

社員以外だと作者さんたちについては、
スペイン各地から厳選!フォロー すべき7人のレシピ作者たち【翻訳レシピ付】

をぜひ見ていただきたいです。レシピ も日本語に翻訳して紹介しています。 もちろん、ラテンアメリカ各国からもおすすめのレシピ作者さんご紹介でき るので、気になる方はご連絡いただければ嬉しいです。

鎌田さんのANKAKE」レシピのページ。

【原田】
今回のインタビューで、クックパッドは、日本最大のレシピサイトというだけでなく、「料理を通してのコミュニケーション」を大切にしているグローバル企業、ということを知ることができました。

料理をつくることは 地球のこれからをつくること

この言葉がとても印象的でした。今後の取り組みなどあったら教えていただけますか?

【鎌田】
スペイン語圏向けに取り組んでいる事例としては、スペイン語版Alexaに クックパッド・スキルを開発しています。Alexa(Amazon社が提供するクラ ウドベースの音声サービス)で、スペイン語版クックパッドのレシピを検索 して読み上げさせることができます。チームでは、この音声アシスタントと いう新たなテクノロジーを使ってどう料理を楽しく出来るか、という未来を 考えています。現在は、スペイン、メキシコ、そして米国の三カ国でサービ スを展開しています。今後もより料理が楽しくなるようなユーザ体験を作って行きたいです。

 

【原田】
料理の効率も一段と上がり、益々料理が楽しくなりそうですね!想像するだけで、ワクワクしてきました。鎌田さん、これからも協会の公式グループで、「クックパッド・スペイン」の進捗など、メンバーの皆様に時々共有していただけたら嬉しいです。この度は貴重な時間をありがとうございました!

スペインワインと食協会「スペイン美食インタビュー」、第二回目は、スペインワインと食協会のFB「公式グループ」メンバーのお一人でもある、「クックパッド・スペイン」アリカンテ駐在 鎌田麻以子さんにインタビューさせていただきました。

日本で知られているスペイン料理といえば、パエリア、アヒージョが有名ですが、もちろんそれだけではありません。スペインは、17の自治州と50の県があり、その土地の自然環境や歴史や人々が育んだ、魅力的な郷土料理が沢山あります。家族や友人と食卓を囲むことが大好きな、食文化に重きを置く国民性と、恵まれた気候と大地で育まれた食材の宝庫、スペイン。そんな環境だからこそ、世界のガストロノミー界を牽引する、トップシェフ 達が次々と輩出され、フーディーから熱い視線を集めているのでしょう。

2011年、発足当初のスペインワインと食協会の一つのミッションとして、「和食にする?フレンチにする?それともイタリアン?」という選択肢の中に、「スパニッシュ」も加えたい、という目標を掲げていました。「クックパッド・スペイン」で、本場のスペイン料理とスペイン語を学び、楽しみながらコミュニケーションしていると、きっとスペイン料理の虜になることでしょう。ここ十数年で、日本のスペインレストランやバルは急増し、個性豊かなこだわりのお店も増えました。ご家庭でも、気軽にスペイン料理を食べる機会が増えると、きっとスペイン料理店に行く機会も増え、スペインワインを飲む人や、スペインに行きたい、と思う人も増えるでしょう。今回、鎌田さんから活動を伺い、「クックパッド・スペイン」は、日本のスペイン食文化の輪を活性化するきっかけの一つになるのではと、希望も交えて思いました。

「クックパッド・スペイン」と、アリカンテ駐在 鎌田麻以子さんについて

[クックパッド・スペイン]

クックパッドのスペイン語圏のレシピサービスを担当。スペインのアリカンテ市にオフィ スを構え、その他ラテンアメリカ各国のリモートワーカーたちとともにスペイン語圏のレ シピ・コミュニティを支えている。

クックパッド・スペイン

[クックパッド・スペイン 鎌田麻以子さんプロフィール]

修士課程修了後、NEC中央研究所に就職。現職参加制度を利用して青年海外協力隊経済・市場調査ボランティアとして中米ホンジュラスに2年間赴任。復職後、新規事業開発やVC投資などに携わった後、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションに共感しクックパッドに入社。

2018年12月よりクックパッド・スペインに駐在。スペイン、ポルトガルおよびラテンアメリカ各国のデータ分析と業務改善を担当。現在はブラジルに注力中。1児の母。

インタビューの後、クックパッド・アリカンテオフィスの
エントランスで鎌田さんと。

スペインワインと食協会 原田郁美

山口県出身。広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれる。バルセロナ、東京でWebマーケティング会社勤務後「日本とスペインをつなぐ架け橋」を目指し独立、スペインワイン生産者の日本市場進出サポートを行う。2011年「スペインワインと食協会」設立。2012年に再び渡西。スペイン産ワインと食品に特化した、輸出サポート・プロモーション全般、デザイン(グラフィック、Web)、執筆を行う。カタルーニャでの現地コーディネート、ワイナリーツアー企画等も行う。WSET ® Level 3(英国政府認定) 。