【コルク編 vo.1】パラモン社の天然コルクについて〜スペインワインと食大学〜

「パラモン社天然コルクセミナー」スペインワインと食大学

【コルク編 vo.1】パラモン社の天然コルクについて

こんにちは、原田です。
先日、コンラッド東京にて「スペインワインと食大学」を開講しました。
一回目の特別講義は、スペイン産天然コルク会社パラモン社社長
フランセスク・パラモン氏をお迎えし、天然コルクについてプレスセミナーランチを行いました。

皆さん、知っているようで知らないコルクについて。
今日は、フランセスク氏のセミナーを元に、
パラモン社のコルクにフォーカスしてご紹介します。

1.パラモン社について

スペイン・ジローナ県カサ・デ・ラ・セルバに本社を構える「パラモン(Parramon)」社は、1956年の設立以来、スペイン産にこだわった入念な原材料の選択と、
最新科学技術の導入から高品質コルクの製造を実現し、
急成長を遂げた天然コルク製造メーカーです。

お客様からお客様へ、口コミは世界に広がり、今現在フランスのブルゴーニュ、ボルドーをはじめ、イタリア、スペイン、ドイツ、スイス、スコットランド、ア メリカ、日本、オーストラリア、南アフリカ、グアテマラ、キューバなど、高品質なワインや、蒸留酒のこだわりの生産者800社と取引しています。

コルクの加工から梱包まですべてを自社で行っており、その高い品質は国際的に評価されており、国際規格ISO-9001の認証も受け、品質管理にも万全の体制で取り組んでいます。
7種類以上のサイズ(44×22mm-54×30mm)、9種類の豊富なクオリティー・ラインナップ、そして、高品質コルクからカジュアルレンジまで幅広い価格展開をしています。

スペインワインと食大学

【パラモン社のコルクを使用している世界の生産者のワイン】
当日は、コンラッド東京の森本美雪ソムリエに日本料理「風花」のお料理に合わせ、
この中から数本のワイン選んでいただき、最高のマリアージュをご提案していただきました!

・Meursault-Charmes premier cru 2010 Domaine des Comtes Lafon (フランス)
・Domaine de Trévallon 2012. Alpilles. (フランス)
・Sekt Dorst & Consorten 2010 (ドイツ)
・Barolo del 2004 Fossati Case Nere ( イタリア)
・Barolo de Mascarello. Montprivato del 2011 ( イタリア)
・Clos d Agon blanco 2011 . (スペイン)
・Flor de primavera. Peraj Ha ‘ abib 2013. Celler de Capçanes (スペイン)
・Crianza 2012. Viña Sastre. Ribera del Duero (スペイン)
・Roda I 2008. Bodegas Roda s. a. (スペイン)

【当日のサプライスワイン】※こちらもパラモンのコルクを使用しています。
・キュヴェ三澤明野甲州 2013 (日本)  ・Tossals 2013 Grifoll Declara(スペイン)

2.パラモンの天然コルクのこだわり

【1】原材料
コルク樫の樹皮が天然コルク栓の素材ですが、最初に樹皮を剥がすのは、樹齢30年まで待ちます。2回目からは10〜11年毎に剥がします。ただし、高品質を追求するパラモン社のコルクとして使われる樹皮の採取は、樹齢50年目からになります。コルク樫の林は、イベリア半島の中央部サラマンカからセビージャまでの縦帯に位置する、代々付き合いのある信頼ある複数の生産者の林から、A〜Dまでのランクの中で、最高品質のAランクのみのコルク樫の樹皮を厳選します。なお、コルク樫の寿命は150年から200年です。

【2】保管
コルク板は採取後すぐには使われず、組織がきちんと安定するまで少なくとも12ヶ月、自社工場内にある屋根付きの倉庫の中で保管熟成します。倉庫の環境、土地の気候、気象の変化からの保護、断熱、レイアウト等はコルク板熟成にとって非常に重要な条件であり、コルクの質を決定づけます。

【3】煮沸洗浄 ★世界初・特許取得★
従来のプール式の方法とは異なり、パラモンではコルク板を98℃の熱湯シャワーで1時間煮沸洗浄し、人に有害なタンニンや、揮発性成分(有機塩化物)を劇的に減少させます。通常の加圧滅菌器を使用しないこと、 スチームや圧搾機を使用しないこの方法は、 大きな違いであり、コルクの組織を出来る限り傷つけない上に、常に清潔なシャワーで洗浄するこの方法は特許取得しています。この後、オゾン抗菌を行い、清潔な状態を保ちます。

【6】レーザーによる焼印 ★世界初・特許取得★
世界で初めてコルクの焼印にレーザーを導入しました。
レーザーでの焼き印はとても精密で、どんなデザインも実現でき、絶大な指示を得ています。

【4】断裁と掘削(くっさく)
機械でコルク板は短冊状に断裁され、それらはドリルでくり抜かれコルクができあがります。くり抜かれたコルク板の写真から、その工程を見ることができます。

 

【5】人口カメラ ★世界初・特許取得★
バルセロナ大学と共同開発し、世界で初めて高品質な人工カメラを使って、あらゆる角度からコルクの品質を内部まで徹底的にチェックし、品質によってセレクトするシステムを導入しました。

 

【7】梱包
コルクは輸送中やワイナリーで保管する間、しっかりと品質保護されていることが重要です。通常のコルクはポリエチレン製の梱包バックが使用されますが、これでは完全に密閉できません。パラモン社では従来の梱包バックより価格が7倍高い、食品の保存に適したアルミニウム製の二層ポリエチレン包装を行っており、輸送中、同梱物からの臭いや、湿気、紫外線等から徹底的に保護します。真空密閉により、内側での化学変化による商品劣化を起こさないことを6ヶ月間保証しています。

日本のワイン業界の重鎮の方々をお招きしたプレスセミナーでは、
鋭い質問の数々が活発に飛び交いました。

その中でも特に話題になったのは、
やはりブショネの原因物質TCA(トリクロロアニソール)について。

「パラモン社天然コルクセミナー」スペインワインと食大学

この続きは、【コルク編Vo2】でご紹介します!

【文】スペインワインと食協会 原田郁美 Ikumi Harada

広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれる。帰国後「日本とスペイン を つなぐ架け橋」を目指し独立、「スペインワインと食協会」設立。試飲会をはじめ、スペインワイン生産者の日本市場進出サポートを行う。2012年結婚を機に再び渡西。 プリオラートで夫のワイナリー「グリフォイ・デクララ」を支えつつ、スペイン産のワインと食品などの輸出、スペイン語ワイン通訳、プロモー ションを行う。WSET Advanced Certificate(英国政府認定)資格取得。