【レポート】視察団が来日 第16回「スペイン アンダルシア製品展示会(食品・飲料)」

スペインワインと食協会

【レポート】視察団が来日 第16回「スペイン アンダルシア製品展示会(食品・飲料)」

4月19日(水)ホテルニューオータニにて、アンダルシア州政府 アンダルシア製品輸出促進公社(EXTENDA)主催 第16回「スペイン アンダルシア製品展示会(食品・飲料)」が開催されました。

 

 

開催前に来場したのは、アンダルシア州の農業生産者団体であるCooperativas Agro-alimentarias de Andalucía(アンダルシア農業食品協同組合)視察団です。

 

アンダルシア農業食品共同組合の責任者である専務取締役Jaime Martínez-Conradi Álamo (ハイメ・マルティネス・コンラディ・アラモ)氏が、視察団のメンバー紹介とスピーチをしました。さらに組合の25周年を記念し制作されたビデオを視聴後は、視察団のメンバーがそれぞれ各展示ブースをまわり、アンダルシアのワインや食材を中心にあたたかいコミュニケーションが育まれていました。

 

 

 

 

農業団体視察団を代表したスピーチ

農業団体視察団一行

農業団体視察団一行から(株)武蔵屋さんに記念品が贈られました。

・スペイン全体にある農協のうち、5個に一つがアンダルシア

組合の功績は目覚ましく、昨年度の売上高は98億ユーロに達しました。これはアンダルシア地方の国内総生産(GDP)の5%に相当するほどです。スペイン全体にある農協のうち5個に一つがアンダルシアであり、スペインの農協全体が売り上げるなかでアンダルシアが約40%を占めるということです。

エクステンダ(EXTENDA-アンダルシア製品輸出促進公社-)とは

エクステンダ(EXTENDA-アンダルシア製品輸出促進公社-)はスペイン南部アンダルシア州政府の経済科学技術省が管轄している公的機関で1985年の設立以来、同州製品普及の為に世界各国にオフィスを設け、様々な貿易プロモーション活動をしております。(EXTENDA HPより)

エクステンダ(EXTENDA-アンダルシア製品輸出促進公社-)HP

アンダルシア州

スペイン全土の17.3%を占める87,268km2の面積を有しており、これはベルギーやオランダ、デンマーク、オーストリア、スイスといった国よりも広い面積です。(EXTENDA HP より)

・約22万件の農家を束ねるアンダルシア農業食品協同組合

アンダルシア州は、アルメリア県、カディス県、コルドバ県、グラナダ県、ウエルバ県、ハエン県、マラガ県、セビリア県という8つの県があります。

地中海性気候で雨はあまり降らず、スペインの中でも農業と畜産が盛んな地域で多様性のある産品を持っています。同州には驚くことに約22万件の農家があります。

Cooperativas Agro-alimentarias de Andalucía(アンダルシア農業食品協同組合)は同州にある650の農業協同組合を代表する組織として存在しています。

主な産品は、世界のリーダーとも言えるオリーブオイル、テーブルオリーブ、柑橘類、イチゴをはじめとするベリー系からトロピカルフルーツ、アボカド、アーモンド、イベリコ豚、牛、山羊、羊の食肉やその乳製品、ワインなどがあります。組合は、多くの食品の生産と加工だけでなく、マーケティングにも特化して活動しています。

 

(株)メルクマールさん

·(株)飯田 公平さんと平井さん

·オー·リーブ·ジャパン(株) 工藤さん

銀座しぇりークラブ 星シェフとDE OLIVAの加藤さん

·DE OLiVA – 加藤さん
SUPREMO, MORELLANA, LA LAGUNA

·(株)イスコ 五十貝さん

·(株)ユーロパス 酒見さん

Castillo de Canena

・日本へのプロモーション、さらに世界へ

同組合は、この味わいを広げるため世界にも目を向けています。その一環として今回の訪問は、日本においてアンダルシア州農産物のプロモーションをますます高め、輸出ルートを拡大するために実施されました。

畜産を行うコバップ、オリーブオイルを生産するDcoop、野菜や果物を扱うウニカグループをはじめとする組合の運営評議会メンバーが、州内の主要な組合を代表して参加したのが、今回の商業ミッションです。この訪問を通じて、日本の農業生産システムや取り組み、流通、小売形態、また輸出入に関する指針などについて広く学ぶことができると、同組合は期待していました。

アンダルシアワインブースの前で

スペイン語や英語が飛び交います

快く生ハムのカッティングを実演する様子も

スペインワインと食協会

2022年からインポートされている(株)パルケさんご紹介のアンダルシア産ワイン

・アンダルシアから発信するサスティナブルな農業

先のハイメ氏のスピーチで最後に伝えられたことです。

「私たちは元々持っているDNAとして、古くからしっかりしたものをつくっていこうとし、積極的に技術革新をしていこうという遺伝子を持っています。日本の皆さんとも協力をしながら新商品の共同開発もしています。聞いたことがあるかもしれませんが、たとえばトマトのアメラ品種は日本とスペインの共同開発によって進められてきたものです。

当然ながら品質、環境に関する配慮をしながら生産しています。それだけではなく地域の雇用に貢献するという意味でも、私たちは積極的に仕事をすすめています。」

このメッセージからも、組合が何を大切にされてきたのか深く考えさせられます。

 

「農業団体視察団一行」

バル・デ・オジャリアの青木シェフとフェルミンチョののりこさん。
ZAS エドウィンさんと大隅さん。

正光社原田さんとBodega de Forlong、Tinc gana ジェロームシェフと。

(株)パルケの岡村さんと、青木シェフ、後ろ姿ですがフェルミンチョ作元シェフ

(株)アケヒの明比淑子さんとEXTENDAの杉田さん。

・最後に

これまでの味わいを大切に守りながら、さらに新しい美味しさを生み出すこと、持続可能な農業、畜産、そして雇用に取り組むこと、日本をはじめ世界にアンダルシアの味わいを伝えていく思いを実現すること・・・。

農業を通して重要なことは、私たちが生きていく上でも大切にしていきたいことと同じかもしれません。

じつは筆者もスペイン関係の仕事のきっかけは、14年前にアンダルシア産オリーブオイルの味わいに一目惚れしたことでした。

アンダルシアで生まれた味わいから人生を変えるような出会いを体験したひとりです。

すでにアンダルシアの食品やワインが大好きなみなさんはもちろん、「これからもっと味わってみたい、もっと知りたい!」というみなさんも素敵な味わいとの出会いがありますように。

今後もアンダルシアの味わいが、日本でますます多くの方々に愛されることを願っています。

 

スペインワインと食協会 加藤智子

福岡県生まれ。1997年より「食」の世界において、調理師、パテシェ、サービス、コーディネイト、企画、広報、PRまで幅広く経験。2009年スペイン産オリーブオイルに一目惚れし「食で毎日をもっと嬉しく、人生をもっと楽しく」をテーマにLA PASION(ラパシオン)設立。2011 年「スペインワインと食協会」設立。スペイン食品の輸入・販売、オリーブオイルティスティング講師、PR、編集、執筆を行う。JOSAオリーブオイルソムリエ、調理師。