新進気鋭のワイナリー『ヴェルム』のワインと料理のマリアージュ

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第4回スペインワインと食大学特別講義『ヴェルム』テイスティグセミナー

新進気鋭のワイナリー『ヴェルム』のワインと料理のマリアージュ

 

さる6月27日に、第4回スペインワインと食大学の特別講義として、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の
新進気鋭のワイナリー『ヴェルム』のテイスティングセミナーが開かれました。
『ヴェルム』からはオーナーであり醸造家でもあるエリアス・モンテロ氏、
またテイスティングのコメンターとして日本ソムリエ協会副会長のあの石田博ソムリエが出席するという
豪華な顔ぶれに加え、会場の(株)アルカンは高級食材の輸入商社。期待に胸を膨らませて出席してきました。

オリーブオイルが専門の私はワインにはあまり詳しくないので、興味があったのは料理とのマリアージュです。
お料理を担当された(株)アルカンの佐藤シェフによると、今回はスペイン料理のプロが集まるので
敢えてスペインスペインした料理にはしなかったとのこと。どちらかというと、フランス料理系の料理でした。
日本市場での可能性を考えると、地元ラ・マンチャ料理やスペイン料理にこだわらないマリアージュの提案も
大切ですね。

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さて、どんなお料理が出てきたかご紹介しましょう
(ワインについて知りたい方は、堀越典子さんのレポートをどうぞ)。

まずは、アペリティボとして生ハムがサーブされました。
生ハムといっても、ただの生ハムではありません。スペインの2大高級生ハム産地のひとつに
数えられるサラマンカ郊外のギフエロにある、19世紀創業のホセリート社が誇る36か月以上の
熟成期間を経た生ハムです。スペインで「ホセリート」といえば最上級の生ハムの代名詞。
舌の上で脂がトロリととろける感覚は、まるで極上のマグロのトロ。
一度食べたら、もう安い生ハムは食べられなくなるという危険性を含んでいます(笑)

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生ハムの後は、4種のワインに合わせたお料理が出てきました。

ワイン:VERUM TERRA AIREN DE PIE FRANCO(アイレン種100%の白)
料理:セビーチェ風ルージエオマールのマリネ
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パリの有名店ポワラーヌのパン・ド・カンパーニュの上に、細かく切ったルージエ社
(フォアグラで有名なフランスの高級食材メーカー)のオマール海老と2種類のパプリカ、
レッドオニオン、トマト、コリアンダー、メロンをのせたフィンガーフードです。
コリアンダーとライムの香りが鼻を心地よくくすぐります。一般的なラ・マンチャの
アイレン種に比べ繊細さを感じるこのワインにぴったりな、上品な味わい。
蒸し暑いこの季節に、よく冷えた白ワインと頂きたい一品でした。

ワイン:VERUM BLANCO(ソーヴィニョン・ブラン80%、ケヴェルツトラミネール20%の白)
料理:セルベル・ド・カニュのパン・オー・フリュイ添え
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凝固した牛のミルクから乳清を取り除いただけのシンプルなチーズ、フロマージュ・ブランと、
山羊チーズのブッシュ・フレッシュを(両方ともフランスのトゥーレーヌ地方産)ニンニク、
エシャロット、シブレット、生クリーム、白ワイン、オリーブオイルとクリーム仕立てにし、
ラディッキオ・トレビーゾときゅうり、チコリが入っていました。添えてあるのは、フランスの
ブリドール社のパン・オー・フリュイ。やさしいコクのあるクリーミーなチーズがおいしいこと!
ヘーゼルナッツやアプリコット、レーズンの入ったパン・オー・フリュイによく合います。
このワインが持つフルーツの香りをより華やかに広げてくれました。

ワイン:VERUM ROBLE(テンプラニーリョ75%、カベルネ・ソーヴィニョン20%、メルロー5%の赤)
料理:仔羊2種~骨付きローストとバラ肉の煮込み~とバスク産トウガラシ風味のラタトゥイユ
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ホルモン剤や抗生剤を一切使用せずに育てた西オーストラリアのワムコ社の高級ラム肉を、
骨付きローストとバラ肉の煮込みの2種類に仕上げ、バスク産唐辛子を使ったラタトゥイユ
(スペイン風にいえばピスト)が添えてありました。この唐辛子はフランス国家が無形文化財企業と
認定した19世紀初頭創業のスパイスメーカー・ティエルスラン社のもので、胡椒に似た味なことが特徴。
クセがなく柔らかくラム肉とほのかにスパイスが香るラタトゥイユは、この赤ワインとの相性バッチリでした。
ちなみにラタトゥイユの材料は、トマト、ズッキーニ、ナス、赤・緑ピーマン、タマネギが入った冷凍パック。
冷凍野菜の先駆者であるボンデュエル社製です。

ワイン:VERUM TINTO(テンプラニーリョ60%、メルロー30%、カベルネ・ソーヴィニョン10%の赤)
料理:仔牛のロースト ジャガイモのドフィノワ添え
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フランス・ブルターニュ地方の仔牛専門メーカー・タンドリーアード社の繊細で柔らかい肉質と
ミルキーな味わいが特徴の仔牛をロースト。本当にミルキーなんですよ。この赤ワインと肉汁で作った
ソースがかけてありました。添えてあったグラタン・ドフィノワはこれをメインにできそうなほどの
存在感がありましたが、実はベルギーのクロップス社の高級冷凍食品。
どちらも香り高いVERUM TINTOによく合いました。

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実は4番目に限らず、各料理にはアクセントとしてほんの少しだけマリアージュしたワインが
使われていたとのこと。料理をする人には珍しくないアイデアかもしれませんが、
私にとっては「なるほど~」と頷いてしまう話でした。

いいワインはもちろんそれだけでおいしいのですが、
それにマッチしたおいい料理と頂くと更に味わいが増すことを再認識したセミナーでした。

 

ライター 田川敬子 (Keiko Tagawa)

東京都出身。2002年の春に6年来の夢が叶ってバレンシアで就職。日系企業、地元企業を経て、 現在はマイペースで通訳や翻訳、ガイドブックの仕事のほか、日西企業間のビジネスサポートも手掛ける。また『地球の歩き方』等の旅行関連サイトや日本オ リーブオイルソムリエ協会の会報誌などにスペイン情報を寄稿。『NHK地球ラジオ』等ラジオ出演も多数。JOSAオリーブオイルジュニアソムリエ。

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