【レポート4】エスパイ・プリオラート 2015 〜プリオラートの歴史「第二次改革」〜

By 5 August, 2015EVENT REPORT, NEWS, SPAIN, WINE
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【レポート4】エスパイ・プリオラート 2015〜プリオラートの歴史「第二次改革」〜
【Reportaje4】Espai Priorat 2015

プリオラート。

「フィロキセラ禍以前は、今以上、見渡す限りの山々に、
ブドウ畑が広がっていた」

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古くからワイン造りの文化は受け継がれてきたものの、
ものすごい急斜面。ミネラル豊富なスレート土壌「リコレリャ」は、
ポテンシャルの高いプリオラートのワインを生み出すシンボル的な存在ですが、
もろくて崩れやすい為、トラクターなど、機械の使用が困難という
栽培家泣かせの土壌でもあります。

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【Licorella / リコレリャ】 地図で見るとまるで目玉焼き。黄身の部分がDOQプリオラートで白身がDOモンサン。 プリオラートとモンサンの違いは、ザクっと土壌の違いでもある。プリオラートは主にリコレリャと呼ばれる粘板岩土壌、モンサンは粘土質土壌となる。 希少な雨が降った後、 粘土質土壌は水分が地表近くに残っているのでブドウの根も浅い。 岩の破片の様なリコレリャは水分は地中深く流れる。それを追って根も深く長くなる。それ故、ブドウ樹はミネラルを多く吸収する事が出来、ワインの味わいに影響する。(文)馬場祐治

周りを山に囲まれ、地中海の湿った空気や雨はシャットアウトされる為、
降水量は少なく、寒暖差が大きいのが特徴です。
雨が降らない為ブドウの収量は大変少なく、全てにおいて過酷なその環境に耐えられず、
ブドウ畑を手放し、都会へ移住する若者が続出し、深刻な過疎化が進みました。

そんなプリオラートが、突如、高品質ワイン産地として
一躍世界の注目を浴びることになったのが1989年。
それは、「プリオラートの4人組(5人組)」の功績のおかげと言って過言ではないでしょう。
そんな〜第一次改革〜については前回の【レポート3】でご紹介させていただきました。

それでは、1990年代のプリオラートの一大ブームの後、どんな動きがあったのでしょう?
これから〜第二次改革〜について、馬場 祐治氏のレポートからご紹介させていただきます。

★馬場 祐治氏 プロフィール詳細はこちら

㈱サンティール・田崎真也事務所ディレクター・田崎真也ワインサロン講師
2006年最優秀ベネンシアドール
1998年ポートワイン・ソムリエコンテスト優勝

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第2次改革

1989年以降始まったプリオラートの5人組による功績は計り知れない。
一気に国際的に高い関心を集め、まさに醜いあひるの子が白鳥に生まれ変わったごとくの産地だ。
この「第1次改革」では「革新的」とも呼ばれ、果実味やアルコール度の高い、パワフルなスタイル。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロのブレンドも特徴だ。

それから20年。

30代・40代を中心に新たな改革、原点回帰が起こっている。 
伝統に戻ろう。カリニェナやガルナッチャ、土着品種を大切にしよう、
そのブドウ本来の個性とそのテロワールを表現しよう、オーガニックに戻ろう。とした動きだ。
味わい的には、アルコール度を抑え、抽出し過ぎず、緻密でエレガント。
北斜面や標高の高い畑から酸を活かしたワインもひとつの特徴だ。
これを「プリオラートの第2次改革」
スペイン全体の動きでは「新潮流 la nueva tendencia」と言う。

試飲会場では新潮流を牽引するドミニク・フーバーやサラ・ペレス、
そしてフェレール・ボベが人気を博していた。

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フェレール・ボベのブースで試飲する2014年世界最優秀ソムリエ・パウロ・バッソ氏

 

訪問させて頂いたフランク・マサルドのオーガニック畑でのテースティングとカリニェナ、
ガルナッチャそれぞれのアンフォラ熟成。この蔵元も今のプリオラートを表している。

 

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アンフォラとフランク・マサルド氏。

 

【文】馬場 祐治

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スカラ・デイ修道院の遺跡で、

プリオラートの歴史を変えた錚々たる造り手達をはじめ、

現在102社あるプリオラートのボデガの中の32社が集結。

約200種のワインをテイスティングしました。

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12世紀に建設されたスカラ・デイ修道院でテイスティング。

プリオラートの始まりとも言える歴史的建造物で、生産者と語り合いながらの試飲。

「ワインという飲み物は、なんてドラマティックなんだろう?」

突如、抑えきれないほどの感動に襲われました。

胸が高まる、エスパイ・プリオラート2日目のテイスティングの動画はこちらです。

・Espai Priorat 2日目
https://www.youtube.com/watch?v=HaBPcwXuZnU

 

次回は、将来に向けての現在のDOQプリオラート、

気になる方も多いはず、「Vins de Vila  / Vi de vila / 村名ワイン」について。

馬場 祐治氏のレポートからご紹介させていただきます。

スペインワインと食協会 原田郁美

広告代理店でデザイナーとして勤務後、渡西。3年間のバルセロナ生活でスペインワインと食の魅力に取り憑かれる。帰国後「日本とスペイン を つなぐ架け橋」を目指し独立、「スペインワインと食協会」設立。試飲会をはじめ、スペインワイン生産者の日本市場進出サポートを行う。2012年結婚を機 に再び渡西。 プリオラートで夫のワイナリー「グリフォイ・デクララ」を支えつつ、スペイン産のワインと食品、コルクの輸出、スペイン語ワイン通訳、プロモー ションを行う。WSET Advanced Certificate(英国政府認定)資格取得。